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ハトアリ.クロアリ小話
お風呂でドッキリ2
「お前等、アリスの部屋のドア壊して何してんだ?」
ひょっこり、と耳を揺らしエリオットが顔を覗かせ、更に叫んでしまう。
「ドア?!壊しっ…てかエリオットも来るんじゃないわよっ」
「そうだよ。お姉さんの裸は僕らしか見ちゃダメなんだし」
「レディの部屋に勝手に入って来るな」
双子の台詞に拳を握り、フルフルと震えれば声高々に叫んだ。
「私の裸は私のモノよっ今すぐ出てかないと、今日限り出てくからねっ」
…ゼィゼィと息を荒くすれば、ものすごい早さで三人が浴室から出て行った。
「ディーもダムも…何て事…」
肩を落とす、着替えて部屋に戻れば出入り口の扉は叩き割られ、壊されて唖然とする。
「だって、僕ら呼んでたのに、お姉さんから返事が無いから」
「倒れたりしてないかって、慌ててドア壊しちゃったんだよ」
ねー。
と双子が互い見合い、可愛いらしく言う。
無造作に両手を延ばし、力の限り2人の頬を摘んで引っ張る。
「いひゃいいひゃいっ」
「おねぇさ、いひゃいっ」
「ごめんなさい、もう二度としません。は?」
容赦無く引っ張りながら、怒った様に言う。
「「ごめんなひゃいー」」
涙目の2人に、小さく息を吐き手を離す。
傍に立つエリオットが耳を押さえてた。
「耳…引っ張らないわよ…それより、ドア…直ぐに直る?」
過去を思い出してるらしいエリオットに苦笑し問う。
いくら何でも、部屋が丸見えで過ごすのは遠慮したい。
「修理は呼ぶから…何なら違う客間に移動するか?」
エリオットの返事に頷く。
頬を押さえ、涙目の2人を指さして、にっこり笑いかけた。
「修理代は、2人の給料から引いてくれて構わないから」
途端にブーイングが上がるも、睨みつける。
「乙女の裸を見てタダで済むと思ってるの?ドア代位、安いものだわ」
キッパリ言い切り、文句ある?と睨んだまま言えば。
「お風呂、何回も一緒に入ってるのに」
「今日に限って、何でそんなに、お姉さん怒るの?」
涙目の2人の言葉に、にっこり笑い再び両手で双子の頬を引っ張った。
「半裸と全裸じゃ全然違うっ!色々勉強して、出直してらっしゃい」

女心と羞恥心を学んで欲しいと心底思った一日だった。



end

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あきゅろす。
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