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ハトアリ.クロアリ小話
オレンジデー ちびアリス
「はい、あーん」
「あーん」
今日も良い天気
屋敷の芝生で兄弟と、小さいお姉さん3人で
オレンジをカゴに盛り。
剥いた先から、お姉さんの口に。
差し出せば、無条件に開かれる口が可愛い。
普段だと、渋々だったり躊躇いながらだし。
もぐもぐ食べる、小さな手に剥いたオレンジを差し出す
「僕等にも、あーん。してね。
お姉さん」
「剥いてあげるから」
「うん」
小さな手は、オレンジを剥くのに向いてない。
渡したオレンジが、僕等の口元に差し出される
「はい、どうぞ」
「「あーん」」
口に含めば、甘い沢山の果汁。
「おいしいね」
「気に入った?」
「まだあるから
今日の、おやつは僕等とオレンジ食べようね」
「うん」
にこにこ笑う、お姉さんは素直で可愛い。
「皆とは?」
「ボスとか、ひよこウサギとはダメ」
「オレンジは、僕等とだけだよ」
「……オレンジじゃないのは、いい?」
「すごく嫌だけど」
「どうしても食べたいならね」
その時は、僕等も一緒に食べるけど。
お姉さんは、首を傾げる。
まあ、分からないだろうな。
今日は、オレンジデー
前に教えてくれたのは、お姉さん
今より大きかった、お姉さん
恋人同士が愛を確かめ合う日

前の時は、お姉さんが作ってくれた
オレンジのお菓子を食べて。
オレンジジュース飲んで、ちゃんとベッドで愛も確かめ合ったけど。
目の前の、お姉さんを見る。
背なんか、僕等の半分位になっちゃって。
頭や目も前よか、くりくり大きくなって
身体や手は小さく直ぐにでも壊れちゃいそう
…多少壊れても僕等は、お姉さんを手放す気は全然無いし
大事に大事にするケド
…エッチは、流石にこんな小さいと壊れちゃうよねぇ…
試してみたくもある
でも、壊れてしまったら。
治らない位に壊れてしまったらと思えば怖くて出来やしない。
小さな傷だって、僕等の無い筈の胸の中が痛む
「きょうは、何かのひ?」
はい。
差し出してくるオレンジを食べながら、僕等は頷く
「うん
オレンジデーだよ」
「恋人同士がね、愛を確かめ合う日」
オレンジを一緒に食べてね。
剥いたオレンジを口元に差しだしながら、言う
ジッと僕等を見てくる大きな目。
「お姉さんの恋人は、僕等だから」
「他の人とは、食べちゃダメだよ」
「あい」
大きな頭が頷く
すごいすごい可愛いなぁ…
まかり間違っても僕等ロリコンじゃない筈だけど。
お姉さんは、どんな姿でも大好きだ。
剥いたオレンジを、三人で。
恋人としてのベッドでの営みが無いのは残念だけど。
お姉さんが、僕等とだけオレンジを食べてくれる。
とても幸せな日
オレンジデー



end
201004末
おまけ↓


「って、何をボスと飲んでるの?お姉さん」
「おこーちゃ」
「…ボス、ちなみ今日の銘柄は?」
いつもの庭で見慣れた光景
躊躇いがちの問いにボスは楽しそうに答えた
「オレンジ、ペコだ」
ぴきーん
音を立て、小さいお姉さんが固まった
「うわ、非道いよボス」「お姉さんに黙って飲ませてっ」
「何を言う。
普段からお嬢さんは、銘柄を詳しく聞いて来ない」
「ご、ごめんなしゃいーディ、ダム〜」
へにょり、眉が下がったお姉さん
いや可愛いんだけど
仕方ないんだけど
ボス意地悪だし
僕等は、ガックリ肩を落とした。
これだから、目が離せない



おわり

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