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ハトアリ.クロアリ小話
お姉さんが起きる前(クローバー)
目を覚ますのは、僕等が先
たまーに、お姉さんに起こして貰いたくて
眠ったフリをするけど。

僕等は、僕等以外の気配に勝手に目が覚める
その内、お姉さんなら目が覚めなくなるかな。
余り想像出来ないけど、それも楽しそう。

今も、僕等は目が覚めて真ん中で眠る
お姉さんを観賞中
今日は、魘されてないみたいで寝息が静か
この人は何度となく、魘される
しかも、どうも同じ夢で。
最初は、飛び起きた時に目が覚めるから
一緒に起きて、顔色が悪いお姉さんを心配していた
だけど、冷や汗を流して顔色が悪いままに
無理して、大丈夫、と笑うお姉さんに
試しに僕等は寝たままの振りをしてみた
眠っていたのに、息を忙しなくしていたお姉さんは
僕等の頭や頬を、ちょっと撫でると
寝た振りした、僕等の手を握り
ゆっくり眠りについていく。

それから、僕等は起きるのを止めた
すごく心配だけど、無理して笑うより
早く眠れるみたいだし

「嫌な夢じゃないのよ」

嫌な夢じゃないのならば、あんなに辛そうなのは何でだろう
そんな夢、切り刻んであげたい
そう言ったら、慌ててダメって言われちゃったし…
長い髪に触れて、指で梳く
起こさない程度に、頬を撫でる。
嬉しい時も悲しい時も辛い時も
僕等が傍に居るから。
僕等の事だけ見て、考えてくれれば
悲しい事も辛い事も無いのに。
まぁ、何をするか分からないから楽しい
のかもね。
すやすや眠る顔を見てれば悪戯したくなって、困るけど。
朝から盛るんじゃないって、怒られたのは
記憶に新しい
朝も昼も夜も
いつだって傍に居て
いつだって触れていたいのに。
いつ分かってくれるのかな
お姉さん
兄弟と二人で、お姉さんの手を握り
再びベッドに横になる。

朝よ。
そう起こして貰う為に




200911末

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