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ハトアリ.クロアリ小話
valentine1
いざ決戦の日
この日の為に、日々努力して
何度も作ったチョコは、別に不味くは無いケド満足いくものじゃなく
二人に内緒でメイドさん達に食べて貰う迷惑を繰り返し
これだ!と思えるチョコを手作りしたバレンタイン
当日、綺麗にラッピングもして、二人に手渡すと目を輝かせ喜んでくれた

「有り難う。お姉さん」「すごい、美味しそうだね」
チョコを見て、喜んでくれてる二人に
口元緩みつつ、食べてと促す
「美味しいよ、すごいすごい美味しい」
「今までで一番美味しい」
二人の様子に笑みが緩む、勝ち負けでは無いのに心の中はガッツポーズだ。
「良かった。そのチョコは二人専用に作ったから」
「他の人には、あげてないの?」
「僕等だけ?」
「あげてないわよ」
正確には、別の簡単なのを作りました。
が、言わない方が良いので黙っておく。
この二人と付き合ってから、色々学ぶ事が多い

二人は、顔を見合わせてからふにゃりと笑う
…可愛いなぁ
頑張った甲斐が、あった。
しみじみしてれば、僕等からもあるんだよ
と、二人からチョコの小箱
膝に乗せて中を見れば、今年もすごく美味しそうで
ちょっと悔しいが、今年の自分の出来映えに満足してるので
去年程、腹は立たない
いや、立つのもどうかとは思うんだけどね。
一つ、口にして。やっぱり美味しいと思いつつ二人に笑顔を向けた
「有り難う。すごく美味しい」
三人共、笑顔
「後ね、今年はプレゼントもあるんだよ」
「プレゼント?」
いそいそ二人が私の片手を一人ずつ手にすると
両手を差し出す形になる。
両手をエスコートされる風に差し出した手
二人が薬指に華奢な指輪を、そろり滑らせる
赤と青の貴石
どちらの手の薬指にも、指輪
両手を目の辺りに翳し、ジッと見れば嬉さに笑み滲む
「すごい、…これ、貰って良いの?」
「お姉さんの為に作ったんだよ」
「貰って貰って。」
二人の機嫌良さ気な声に手を下げ、目を向け。
改めて、有り難う。と笑いかけ
……作った?
「コレ、作ったの?」
買ったんじゃなく?
細い幅に綺麗に埋まった貴石
シンプルだけど、立て爪じゃなく
埋まってる辺りが、何か引っかけたりしにくそうで使いやすそう。
細い幅は、指が華奢に見えてシルバーっぽい色味が、手を綺麗に見せている
「作ったんだよ」
「お店には、欲しい形なかったから」
…ちまちま、私がチョコ作りに勤しんでる間
二人は、ちまちま指輪作りに勤しんでくれてたらしい
…あまつ、美味しいチョコ付きです。
「……お姉さん?」
「どうしたの?どっか痛い?」
手の甲を見つめ、微動だにしない私に
双子が心配そうに声をかけて来る。

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あきゅろす。
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