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ハトアリ.クロアリ小話
視線3
「それで、お姉さんの好みのタイプはボスなの?」
「お金持ちが好きなの?お姉さん、確かにボスはお金持ちだけど
全身が紅茶で出来てて、やる気ゼロだよー」
「…ダム、笑えないわよ。
その冗談…」
身体の主成分が紅茶
…ありそうで嫌だ…
双子の部屋、ベッドに三人で寝転がり眠たいまま会話する。
「でも、お姉さんボスを見てるよ」
「うん、よく見てる…僕等よりボスが好き?」
眠たい筈の会話
真面目な響きに二人を見ると
赤と青の瞳が、こちらを見つめてる。
嘘を許さない眼で。
「…ブラッドと、あんた達ならディーとダムの方が好きよ」
「じゃあ、じゃあヒヨコうさぎは?」
「よもや、僕等が下って事は無いよね?」
「…あー…」
「何で悩むの、お姉さんっ」
「そこも間違い無く僕等って言ってよ」
つい、エリオットと双子を真面目に天秤にかけ
悩んでしまった…
ニンジンスキーなのを除けば、エリオットは
ものスゴく良い人だ
私には。
優しいし、勤勉だし。
罠をかけないし、私の仕事を邪魔しないし…
耳とか耳とか生えているし…
「…あら?」
「あらって何?!」
「何で僕等って言ってくれないの?!」
「えー…僅差で、ディーとダムだと思うわよ?」
「しかも、自信無さ気だしっ」
「僕等が、ひよこウサギに負けてるトコなんて
背だけだよ」
「あら、耳とか耳とかも負けてるわよ」
真顔で返すも、二人は枕に顔を埋めてる
「僅差は、そこなんだ?」
「背は、頑張れば何とかなっても
耳は、無理だよ…お姉さん…」

「ニンジンサンド、食べても生えないかしら…」
「まだ、信じてたの?」「生えないよっ無理っ」

二人に言い切られ、眉が下がる。
せっかく、あーん。までして食べさせていたのに…
「無理なのね…」
残念そうな口調になる。
すごく悲しい。
いつか生えて来たらなぁって思ってたのに。
「……いつか、生える、かもしれないけど…」
「ニンジンサンド以外も、あーんしてくれたら、生えるの早くなる、かも…」
「本当?じゃあ明日から他のも、あーんしてあげるわっ」
勢いづく私に双子が肩を落とした
「お姉さんて…お利口なのに…」
「何で、耳に限りお馬鹿さんになっちゃうんだろうね…」
失礼な。
「だって私、眼鏡も好きだけど
伊達眼鏡とか有るでしょう?
ショタコン属性も、あったの知ったけど…
ここは年を好きに変化出来るみたいだし」
ぐ。拳を握る
「耳と尻尾は、どうにもならないんだものっ
生えるなら、可能性は試さなきゃっ」
力説である。

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