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ハトアリ.クロアリ小話
視線(クロアリ恋愛前)
食事時、給仕を大体済ませると同じ様に席に着く。
メイドなんだし、主人や上司と一緒に食事だなんて有り得ない
が、屋敷の主人や上司が給仕だけだと煩いのだ…

これに関しては、上司その2も煩い。
そう、屋敷主人ブラッドに上司エリオット
上司その2はディーとダム
……よく考えなくても、役無しと呼ばれる人と同じ(荒事以外)メイド仕事をしてる私は
役付きなディーとダムが上司になる。
事実に、ちょっと愕然としてしまった…
「いただきます」
心が狭いと言うか…
双子に対し、お姉さんポジションを取っていたい私は
下な扱いがイヤだと思われる…
仕事なんだし、入ったばかりだし
…いやいや、何年経っても双子の代わりは無理だけども。
別に双子が先輩風ふかす、とかでも無いが
…気分の問題なんだろう…
心が狭く、うんざりする。
日々頑張ってキャリアアップしよう。
ナイフにフォーク時々スプーン
手は必要に応じ持ち替えて、つらつら考えながら食事をする。
「お姉さん、どこ見てるの?」
「う?」
思考の波にハマってたのか、声に間抜けな反応になった。
意識すれば、ディーとダムが私を見てる
「ぼんやりして、ご飯食べてる」
「悩み事ー?僕等が、殺して来てあげるよ」

「殺さなくていい。…ちょっとボンヤリしてたわ。
ごめんね」
キッパリ返しながら、苦笑する。
「おや。私に熱い視線を寄越していた
と、思ったが…上の空だったのか」
「…それは、私の真ん前がブラッドだから。
見たく無くても視界に入るのよ」
「……相変わらず手厳しいな君は」
私のキツい言葉にもブラッドは楽しそうだ。
「あ、でもアンタはブラッド良く見てるよな」
エリオットが呑気な口調で言う。
「…そう?」
「ああ、廊下とかでもブラッドが歩いてたりすると…あ゛あ゛っ」
エリオットの台詞は、全部聞けなかった。
何故ならディーとダムが、エリオットの前に置かれた
にんじんスティックのグラスを、掴んで投げたからだ
「お姉さんが、ボスばっかり見てるワケ無いだろっバカうさぎっ」
「そうだよ。僕等を見てるんだよっ」
勢いつけて双子が言うも、エリオットも黙って無い
だって、にんじんスティック投げたんだし…
「お前等なんか、小っさくて視界に入る訳無いだろーがっ
俺の、にんじんスティックどーしてくれんだ!」
「そんな小っさくないよっ」
「ひよこウサギこそ、でか過ぎて視界に入り切らない癖に」

…始まってしまった…
いつもなら、余り関与しないけども
「ご飯の時は止しなさいよ3人共っ」
何故なら、暴れついでに時々食事が混ざるのだ…
ニンジンクリームの乗ったムニエルなんか
食べたくない。

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