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ハトアリ.クロアリ小話
君と3
「彼女は我が家の大事な客人で、貴重な部下だ
何処にも行かせる気は、ない」
ナイトメアの声に顔を向ける
普段とは違う
強い目で、こちらを見てる
片手を伸ばされた
「来なさい。アリス
ココアを煎れてあげよう」
ココア。
その言葉に一歩、踏み出し双子の腕を見る
両手を使い、彼等の手を握る
ここに双子を残せば、争いになる気がし
二人の手を引く
素直に二人は私と一緒に歩き出した
「アリス。…その、すまなかった」
ブラッドの声
謝るブラッド
間違いなく珍しい
ちらり目を遣り、口元に笑みを作る
多分上手く出来た
「いいわ。ブラッドは意地悪なの忘れてた
私が悪いのよ」
何でも無い様に笑みを見せる
「また、遊びに行くわ。特別美味しい
お茶を、ご馳走になりに」
それでチャラで。
双子の手を引き、ナイトメアの方へ向かい
歩きながら言うと
後ろから「承知した」
と聞こえ小さく息を吐く。
「…門番も、一緒か。
まぁ良い、座り給えアリス」
ナイトメアが双子を見て呟くが、気にした風なく椅子を勧めて来る
言われるまま座れば
「待ってなさい」
と部屋を出て行った
「お姉さん、大丈夫?」「あいつ、何処行ったの?
ココア飲ませてくれるんじゃなかったんだ?」
双子が話すのに目を遣り、気遣う言葉聞き自然に笑み見せる
「ココア、作りに行ったのよ。きっと」

「使用人に作らせるんじゃなくて?」
「ココア、作れるの?あの人」
血とか入ってないよね
双子の驚く様子に、多分ね。と笑う
「結構上手よ」
可笑しくなり、笑み零すと左右から不意に頬撫でられる
「泣く、お姉さんも可愛いけど」
「笑った方が、もっと可愛い」
ハンサム顔が近くで言われ、照れてしまう
「はは…守ってくれて、有り難う」
上司に斧を向ける
何度かエリオットと斧や銃で、ジャレてるのは見るが
そこにブラッドは、入っていない。
彼等が斧を向けるのも見た事が無い
「…もし、ブラッドから怒られたら…教えて?」
後で、酷い事にならねば良いが
改めて不安になる
「大丈夫だよ。」
「暫く、仕事が忙しくなりそうだから
クビにも、ならないよ」あっさり返され、本当?と目で問う。
二人は、楽しそうな顔をしてテーブルの向こうに目を遣っている
「お姉さんが、泣きそうになった瞬間の
腹黒ウサギの視線は、すごかったよ」
「泣いた顔を見た、化粧おばさんのボスを見る目も」
暫く、僕等は忙しいと思うな
門番だしね
「僕等としては、今回はボスまで通してあげたいけど」
「そうすると、給料も休みも減っちゃうから」

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