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ハトアリ.クロアリ小話
ちっちゃい双子2
二人は、顔を見合わせて言う。
「付けても良いよ。耳と尻尾」
「ボリスみたいに、フカフカのピコピコしたの」
両手を上げ喜んでしまう
「任せて!フカフカのピコピコしたの準備するからっ」
今すぐ。
グッと片手握りしめる
「買って来るの?」
「お姉しゃんが、作るんじゃないよね?」
二人の言葉に、走り出しそうだったのを止める
「…私が作ると、もけもけのカクカクしたのになりそうだから…」
最近、料理は上達したが裁縫には自信がない。
眉下げて言い、だから、と付け足して
「ナイトメアのスーツ御用達の生地屋さん
紹介して貰おうと思うの」
普段から着てる彼のスーツは、生地も仕立ても良い。
吐血し、血塗れになるのが勿体ない勢いでだ。
「お金に糸目は、つけない方向で」
ナイトメアを通し頼めば、間違いなく猫耳と尻尾作成は
店的に不本意だろうが、嫌とは言うまい
耳と尻尾付きの双子が見れる私は、浮かれながら言った
「ふーん…じゃあ、楽しみにしてる」
「その前に、ご褒美貰うけど」
双子も笑顔を向けて来てくれるから
つい、聞き逃しかけた台詞に首傾げてしまう
「ご褒美?」
「そう、ご褒美」
「お姉しゃんの、お願いを聞く…ご褒美だよ」
くれるよね?
小さい手が私の手を握り、にっこり笑いかけられて
つられる様に笑い返す
「何を、あげればいいの?」
出来る事など、高が知れてるが
私の我が儘を聞いて貰う以上、出来るだけ叶えたい。
「ご飯作るとか?」
小さな手を、にぎにぎしながら笑み見せる。
「お姉さんにしか、出来ない事だよ」
「僕等にしか、あげちゃダメなもの」
小さな手、だったのが同じ位の大きさになる
瞬けば赤と青の二人が私に、のし掛からんばかりになって
「…何で大っきくなるわけ?」
まぁ元のサイズでは、あるが…

小さな手、堪能していたのに…
不満な顔になってしまう

「…小さいと、ヤりにくいからだよ」
「もっと大きい方がヤりやすいケド」
お姉さん、大人な僕等には未だ慣れてないから
ニコニコと双子は、笑顔で乗し掛かってくる
嫌な予感
逃げられない、嫌な予感
「…別に、ディーとダムには変わりないんだもの…」
大きい二人だって平気だわ
嫌な予感がするのに、何だかムキになって言ってしまう
「そう?じゃあ大っきくなるね」
「この方が、やりやすいから良かった」
有り難う、お姉さん
更に双子が大人になる
乗し掛かられてるのに変わりなく。
更に逃げられない
……でも、ここで逃げたら耳と尻尾は無しな訳で…
とりあえず、二人の様子を見よう
と、思ってたら顔が随分と近づき
交互に口付けを受ける
「いただきます」
「暴れちゃダメだよ。お姉さん」
間近で大人になり、凛々しさの増した二人に囁かれる

「ま、待て待てっ待ってっ」
焦る、遅いとは思うが暴れる。




「…耳と尻尾つけて、写真撮って一日連れ回し……」
乙女の貞操は、ギリギリ回避出来たが。
思い出すと拳握り悔しく、思いつく限りの
希望を双子に、と口にするも
耳と尻尾装着以外は、喜ばれそうな気がし口を噤んでしまった。




end

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あきゅろす。
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