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ハトアリ.クロアリ小話
strawberry1(クロアリ恋愛後)
「‥何か、想像してたのと違う‥」
いちご、苺、イチゴ
私は、自分で分かる位に甘い苺の香りに包まれ
城から、帽子屋屋敷に戻る為に歩いてた。
思い立ったのは、不意に
大人の双子に挟まれている時
私も、せめて化粧をして少しでも見栄えを良くすべきだろうか‥
ハンサム度が増した双子に、別に特徴の無い私
並べば、そりゃあ絵にならない‥
がっくりしてしまう
好き好き言って来る双子
子供の彼等と自分の時は、見栄えなんて意識しなかった
「‥厭らしいかも‥」
自分に、ちょっとゲンナリする
ビバルディの所に、化粧の仕方を相談しに行った
慣れないまま塗っても
変にしかならない気が、したから
が、大層彼女は機嫌良く私で遊んだが
化粧を教える
と、言った感じでは無かった。
うっかり、双子と並んだ時が気になって
なんて、言ってしまったからだろうか
並ぶ、色々な瓶を手に私の顔へ恐れ多くも彼女が
化粧を施してくれた
しかも、鏡を見せてくれず‥
化粧品への説明は、一切無しだ
瓶や匂いで変な物は塗られて無いのは分かるが
やっぱり顔を見て、どんな風になったか確認したい
のに‥帰り道、城の中で鏡を見ない様に
歩く道筋、鏡を外す徹底ぶりだ

イジメだと思う。
多分、きっと、変では無いと思うが
元から大した顔じゃないわけで
変に塗られて、お笑い系になってて
人に笑われるのも嫌だと
気になって街中も歩かず
人目少ない森を抜けて帰る途中な有様だ‥
「てか、苺の匂いって‥子供っぽい‥」
気が、する。
何だか気になって頬に触れる
何もつけてない時とは、違う感覚
ちょっとため息。
双子に見つからない様に‥裏口から帰って
直ぐに、落としちゃおうかな
森の中を歩き、ぼんやり考え歩く
「あ、アリスだっ」
元気の良い声が聞こえる
顔を向ければ、笑顔のピアスがこちらに向かって来てた
「久しぶりっ元気だった?今日は一人?」
ぱたぱた近づく耳と尻尾
普段なら、和むとこだが
今日は化粧が気になって何だか緊張する
「久しぶり‥今日は、一人よ」
意識して笑みを向ける
傍に来たピアスにジッと見つめられ
緊張して、背中に汗をかきそうだ
「な‥何?‥どうかした?」
いつものように。
上手くできてるかは、分からないが笑みを向ける
「アリス、いつも良い匂いだけど
今日は、特に美味しそうな匂い。食べちゃいたいな
ね、ちゅーしていい?」
いそいそ寄って来たピアスの言葉に
苺の香り思い出す。
ついでに、手を延ばし近づく相手の顔を止める
「キスは、止しなさいってば‥」

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