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GIFT
大好きです、例えばわたしの持つ全てを賭けられるほどに


俺の愛しい家族達。

誰よりも俺を理解し。

支え。

守り。

頼ってくれた、

信頼してくれた、

最高の家族達よ。


曇り空に月は見えず、肌に張り付く闇は男に雨を予感させる。

例えばゴルゴダの丘のように一種の超科学的な荘厳さを纏う古い古い旧家、その最も高い場所に付いたエントランス。そこに置いた安楽椅子に腰掛けた青年は、静かに口元に笑みを浮かべていた。

嵐の前の静けさ、重い空気は肌に張り付き、音さえ奪うのか。

少し間違えば眼前に見える町すらも霧霞でかすみそうな濃霧、これでは座っているだけで髪が濡れてしまいそうだと嘯いて。

雨になる前に、あまつさえ雷が落ちる前にと安楽椅子を屋内へ入れてしまいたい。

一人の力では到底無理そうだ、だが。

目前に迫る敵対ファミリーとの抗戦に追われる腹心達を煩わせるのは気が引けた。

このままでいいかとオークの椅子から立ち上がる。

二度とこの椅子を使うこともないだろう。



沢田綱吉はある種の神々しさすら纏っている。



それは高潔な自己犠牲。


それ以上に高尚な信。


彼は信じていた。

浮き雲に託した作戦。いつの日かおのれを棺桶から抱え起こし、(みなが十代目、ツナ、綱吉、綱吉君と名前を呼んで)

おのれを目覚めさせてくれる日を信じている、(きっとお決まりの喧嘩が何組か、おのれはまあまあなんてたしなめて)


だから。

たとえ今この世界で世界を覆う闇が晴れずとも。
いつかどこかでみんなが笑えるのならこの身はどうなっても。


だって、だってさ?



大好きです、例えばわたしの持つ全てを賭けられるほどに。




必要としてくれた
親友といってくれた
頼ってくれた
そのままでいいと教えてくれた
自由に生きろと教えてくれた
信じてくれた
笑ってくれた


守護ってくれた。




(俺はドン・ボンゴレ)

誰よりもドンボンゴレ。


(貴方達の、家族でもある)

だから、そんな。





「きみのために死ににゆくよ」



































ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

十年後☆愛様に提出させていただきました。

どうしようめさくさ楽しかった←


ここまで読んでいただきありがとうございました!


空色パルチザン
結城七瀬 拝


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