Page:2 「あぁ…。それは、立ち入り禁止の札は兎も角、鍵対策は全然成ってないね。全く、あんなのピッキングすれば楽勝だよ」 「それ犯罪ですよ!?と言うか勝手に人の心を読まないで下さいよ!!」 いったい、どこで(色々な意味で)身に付けたんですか!? 狼狽えている私に赤の他人さんは留めを刺す。 「そう言うならば、君も犯罪的行為をしているじゃないか、勝手に立ち入り禁止の札まで作って、屋上だって公共の場なんだよ?しかも鍵まで自分で作って」 最後に鼻で笑って、手のひらでヤレヤレのポーズまで作る。 私は文句を言いたくなるのをぐっと堪える。 ここで私が反論をしたら、毒舌の毒吐きでじわじわと反撃される。 それを初対面から味わった事があるから、尚更喰らいたくない。 私は自宅に帰ってぬくぬく布団で寝ていようかと思います。 ぐっばい屋上。 きびすを返して屋上のノブに手を駆けて帰ろとすると背中に悪寒を感じた、恐る恐る赤の他人さんがいる方向に目を向けると、いつの間にか赤の他人さんが私の真後ろにいた。 鋭い眼孔で私の目玉を刺すぐらいの強さで見抜いていた。 赤の他人さんはすぐ笑って………天の邪鬼みたいに笑って。 私に言った、 枕は枕の仕事をしなくちゃね この後、当然の如く私の膝を枕に使って、赤の他人さんは眠らなかった。 私は心底、赤の他人さんを大嫌いになった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |