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 「ばかぁーッ!!サイッテー!」

 大爆発。

 晃ちゃんは男に向かって鞄を投げつけ
 る。男はそれを腕で止めて床に放った
 。

 「ばか!死ね!真っ昼間っから浮気な
 んかすんなぁー!このっ…」

 男がベッドから立ち上がって、叫ぶ晃
 ちゃんの腕を掴む。

 ぜ…全裸なんですけど…!

 「おかえり、晃。早かったな」

 そう言ったかと思うと屈み込んで、晃
 ちゃんにお熱いキスをかましてました
 。

 完全に俺たち無視。

 「ハルカ、悪いけどこの埋め合わせは
 今度な。晃が帰ってきちまった」

 ハルカと呼ばれた女はさっさと着替え
 ると、男の肩に顔を寄せる。

 「リョウヤが毛色の違う子猫ちゃんを
 囲ってるって、噂じゃなかったのね」

 そして睨んでいる晃ちゃんに挑発的な
 笑みを浮かべて

 「嫉妬しないの。まだまだお子ちゃま
 ね、子猫ちゃんは」

 と言い捨てて部屋を出て行った。

 この人も俺たちを完全に無視。居ない
 かのようにすれ違って行く。

 すぐにヒールの音を響かせて遠のいて
 行った。

 「リョウのばか…」

 甘えるように擦り寄る晃ちゃんを撫で
 ながら、ようやく俺たちに気付いたの
 か男が怪訝そうな表情を浮かべる。

 「お前ら何?空き巣?」

 空き巣はこんなとこ入って来ません。
 てか晃ちゃんと入って来たのに…

 この人が晃ちゃんの彼氏?

 何だかいきなり浮気現場に出会わせち
 ゃって、ものすごい気まずい。



 「あー、そう。晃のトモダチ」

 その後俺たちはリビングに通された。

 晃ちゃんが淹れてくれた紅茶を前に、
 何故か揃って正座してしまう俺とみっ
 ちゃんと城野。

 晃ちゃんは彼氏に抱きかかえられて、
 ベッタベタに甘えた様子で彼氏の足の
 上に座っている。

 上半身裸のまま胡座をかいている、晃
 ちゃんの彼氏――涼夜さん。

 晃ちゃんと一回り以上離れてるらしい
 。だらしない態度とか無精髭のせいで
 一瞬ロクでもないオッサンに見えるけ
 ど、ちゃんとしたら確実にイケメン。

 元が良い人って居るんだなぁ、と思っ
 た。

 「ちゃんとイイ子で勉強してんの?こ
 いつ」

 涼夜さんが晃ちゃんの頭を掻き回す。
 父親みたい…

 「え?あ、や、いっつも寝てばっかっ
 すよ、晃」

 正直に話す城野。ここは晃ちゃんを褒
 めるべきじゃない?

 と俺は思ったけど、涼夜さんは低く笑
 って晃ちゃんの顔を覗き込んだ。



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