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 いわゆる高級マンションなんじゃない
 だろうか。

 眩しいばかりの白壁にズラリと並ぶ窓
 。高層ビルみたいだ。

 「な、何か…場違いな所に来てる気が
 するっ」

 俺とみっちゃんは身を寄せ合った。城
 野も予想外だったのか、やっぱり耳の
 裏を掻きつつマンションを見上げる。

 晃ちゃんが澄ました顔でカードキーを
 差し込み数字を打ち込むと、自動ドア
 が開いた。

 実際はこの自動ドアの向こうがマンシ
 ョン本体みたいな作りになっている。

 奥のエレベーターで7階まで登る。

 「晃ちゃんってイイトコに住んでるん
 だね…」

 みっちゃんがエレベーターの隅で身を
 縮こまらせながら言った。

 そう言う俺も小さくなってるし、城野
 も慣れない空気に緊張してるっぽい。

 晃ちゃんだけが堂々としていた(体は
 一番小さいけど、態度は一番デカいと
 言うか)。

 「イイトコ?」

 不思議そうに首を傾げる晃ちゃん。

 彼の中ではどうやらこれが普通のよう
 だ。世間を知らせてやりたい。

 7階の左から5番目で705号室、ここ
 が晃ちゃんの住んでいる所らしい。

 白いドアには金色で705の文字。

 晃ちゃんはカードキーでドアの鍵を開
 けると、俺たちより先に玄関に入る。
 そして動きを止めた。

 数秒、晃ちゃんの時間が止まる。

 後ろから覗きこんだ俺たちの目には玄
 関にある赤いハイヒールが映った。

 ここ…晃ちゃんと彼氏の家だよね?

 嫌な予感に震える俺たち三人。

 恐らく別の意味で震える晃ちゃん。

 晃ちゃんは無言で靴を乱暴に脱ぎ捨て
 ると部屋に入って行った。

 城野が頷き、俺たちも後に続く。

 晃ちゃんは入って直ぐ左側にあるドア
 を思いっ切り開け放った。

 中は寝室のようだ。

 晃ちゃんがドアを開け放ったおかげで
 、部屋の全貌がよくわかる。

 左側にクローゼット。ベッド脇のサイ
 ドテーブル、部屋の隅の観葉植物。

 そして中央の馬鹿でかいベッド―たぶ
 んキングサイズ―に裸で横たわる男女
 の姿。

 こちらに足を向けて寝てる形になる。

 女は薄手のタオルケットを胸まで上げ
 た。男は上半身を起こして怠そうに頭
 を掻いている。

 そして俺たちの目の前にある晃ちゃん
 の背中は、明らかにブルブルと震えて
 いた。

 爆発5秒前。



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