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■祓魔塾
どうやら、さっきの男の子は 「奥村雪男」という子だったらしい。新入生代表で挨拶ってことは、かなり頭がいいんだろう。兄の方は、てんでダメそうだったが・・・

入学式は終わったが、祓魔塾は今日からなので、さっそく教室へ向かうことにする。
父さんから鍵を預かって来た。不思議な鍵で、これを挿せば何処のドアでも目的地に着くらしい。理事長の力らしいが、理事長って一体何者なのだろうか。


さっそく古びた小さな倉庫を見つけたので、ドアに鍵を差し込んで、廻してみた。

カチャ・・・

「すげぇ・・・開いた・・・!」

中はまったく別なつくりの空間のようで、とても高い天井と長い廊下が続いている。

「えー・・新入生の教室は・・・」
「あれ?お前、さっきのぶつかって来た奴?」

振り向くと、さっきの双子の兄と、小さなピンクのスカーフをした犬がいた。

「あ、雪男くんの兄の方?」
「燐だっつの。奥村燐!お前もエクソシストになるのか?」
「そうだよ。まさかここで再開するとは思わなかったけど・・・」
「そうなのか。教室あっちらしいぞ。」
「おう。」

とりあえず、これは友達になれそうなのかな?

一緒の教室に入り、隣に座る。
すると、突然燐くんが口を開く。
「そういえば、お前、なんていうの?」
「優。板倉優。よろしくね燐くん」
「いいよ、燐で。」
「じゃあ、俺も優で。ていうか、燐。これ君の使い魔の犬?」
ピンクのスカーフを着けて、顔色が悪そうな犬が、俺を見た。

「私は使い魔じゃありませんよ。今は犬ですが。」
「コイツ、メフィストだよ。」
「ちょっと!シーッ!!言ったら面白くないではありませんか!!」
「メフィストって・・・理事長!?なんでココにいるんすか・・・」
「心配で、見に来てしまいました☆ところで、あなたは板倉優くんですか?」
「え?そうですが・・・・」
「やっぱり!目元と口元がお母様にそっくりですね★髪はお父様ですが。」
「ああ、やっぱり知ってたんですね。日本ではお世話になっています。」
「え?おまえの両親、正十字騎士團なの?」

燐が、興味津々で会話に割り込んできた。

「そうだよ。元々海外の正十字騎士團に居たんだけど。色々事情があって日本に来たんだ。」
「そうなのかー!お前の両親も祓魔師なのか?」
「一応そうなるかな。」
優が曖昧に言葉を濁した。

「一応ってなんだよ。」
「まぁまぁ☆、それよりほら、先生が来たみたいですよ?」


教室の扉が、ガラっと開く。
「みんな席についてください。授業を始めます。」

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あきゅろす。
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