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再会の紅
夜、旅の一座だという団体客が来た。おじさんと共に迎え入れ接客をしたが、私の記憶が間違っていなければアレは妖怪だったはず。
でも、最終的にはあの人達が倒してくれるし問題はない。



「おい。」

「はい?あ…」



客室の準備をした帰りの廊下、ぼんやりと考え事をしながら歩いていたからだろう。



「さっきも窓から見かけたけどよ、お前あのときの妹だろ。」



悟浄さんと鉢合わせてしまった。彼はもう確信しているらしく、隠しきれるものではない。



「お久しぶりです、紅いお兄さん。」

「やっぱりか…。」

「顔出さなくてすみません。兄と会いづらくて。」



頭を下げて謝ると、彼は言葉を濁しながらも話し出した。



「あいつもお前の姿見たんだけどよ、たぶん他人の空似だとか自己完結したみたいな感じだったぜ。」

「そうですか。…良いんですよ、それで。」



納得のいかない様子の悟浄さんに、私はもう一度、いんですと言った。
心の底では少し残念な気持ちもあるかもしれない。でも、本当の家族みたいになってくれた人だから、家族が苦しむようなことはしたくない。そんなのはもう嫌だ。















自分の部屋でウトウトしている時だった。大きな物音がして飛び起きた。もしかしたら朋茗達が襲われたのかもしれない。私は隣の部屋に走った。

部屋にはおじさんが頭から血を流して倒れていた。



「おじさん!」

「璃音…ちゃん…。朋…茗が…」



私は覚えた気功でおじさんの傷を塞ぎ、朋茗を探しに向かった。

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