絶賛放浪中 自称神は言った。この世界で生きる為にはせめて身を守れるくらいにはなれと。 「なんか気功しか浮かばないんだけど。兄さんあれでバリアみたいの出してたよね。」 「そうなのか。」 「ええ。武器を扱える自信は無いし、集中力ならなんとかなりそうだし。」 「じゃあやってみろ。」 「いやでもどうやるかよく……って誰!?」 「あ?」 独り言の最中、いつの間にか会話に参加している人に気が付いた。綺麗な顔に露出の多い服で頬杖をつきながら偉そうにしている。 「ひ…卑猥…」 「失礼な奴だな。俺は観世音菩薩様だぞ?」 「観世音…菩薩?本物?」 「ああ本物だ。」 「ほ、本物の神様きたー!会いたかったです!」 「そうかそうか。お前を此処に連れてきた奴も本物だけどな。」 「え、知り合い?」 「神様だからな。」 菩薩様が何故いるのか、それはお前が面白そうだったから…だそうだ。ついでに気功術も教えてくれると言う。 「違う違う、もっとこう…。いいから言った通りにしてみろ。」 「こうですか。」 「そうそう、良い子だ。」 この人(人ではないが)の性格のせいか、菩薩様といると楽しい気分になれた。とても頼もしいし、気功術も徐々に会得できているし、流石神様といったところか。 「璃音、ちゃんと生きろよ。」 「菩薩様が言うなら、生きてみます。」 例えばこの先、終われるときがくるまでは。 [*前へ][次へ#] [戻る] |