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みつけたぬくもり
「璃音は温かいですね。」















悟能はあのあと、泣き止むまでずっと抱き締めてくれていた。シスターと同じくらいの優しい温もりがあった。この人の傍にいたいと思うほどに。
悟能は、私をどう思っているんだろう。気を許してくれていたら嬉しい。少しは期待してもいいかな。
だって今も、手を繋いでくれるから。





「璃音は温かい。」

「ごのう、またそれ。」



悟能は、とことこと後ろをついて歩く私を目を細めて笑いながら手を繋いでくれるのだ。
そして手に触れるといつもこう呟く。



「こどもたいおんだからだよ。」

「うーん、それもあるかもしれませんが…」

「なあに?」



他にもあるのかと質問してみれば、曖昧に笑いながらなんでもありません気にしないで下さいと頭を撫でられた。



「…ごのうも、あったかいよ。つないでるてとか、いまみたいになでてるのとか。」

「僕は体温低いですよ。」

「でもあったかいの。あとね、いっしょにいると、このへんもあったかくなるの。」



自分の左胸を押さえて伝える。
周りの子からは怖い冷たいという印象を持たれてるけど、本当は面倒見が良くて優しくて、例えるなら理想的な兄みたいで安心する。



「あ…ありがとう。」



伝わった、かな。
少し頬を染めながら笑った悟能に、こちらも少し照れた。






















その後―――


「ねえ、おにいちゃんてよんでもいい?」

「突然どうしたんですか。」

「だってきょうだいあこがれてて、ごのうはおにいちゃんみたいだなっておもって。…めいわく?」

「迷惑なんかじゃありませんよ。それに僕も璃音を妹のように思ってましたから、嬉しいです。」

「お…お…おにいちゃん。」

「はい、なんですか?」

「おにいちゃん!」

「はい。」



私に兄ができました。

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