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小説
さんぽ




「……恭弥さん!一緒に散歩、しませんか?」
「…デートのお誘いかい?」
「はい。…駄目ですか?」
「ふふ、喜んで……」


それはそれは、月の綺麗な夜で。

散歩、と言っても、アジトの敷地内をウロウロするだけで。だが、この日、一日中部屋に篭もっていたツナにとっては最高の気分転換であった。


「わぁーっ!月がキレイ!ねっ、恭弥さん!」
「ああ、綺麗だ」


一人はしゃぐツナを見て、雲雀は微笑んだ。
月よりも、目の前で子供のようにはしゃいでいる綱吉が綺麗だと。
月明かりに照らされる綱吉は、神秘的な雰囲気を漂わせていた。

二人で月を見ながら、いろんな話をした。まだまだ小さな家庭教師のこと、昔のこと、日本のこと……話が尽きることはない。
そしてどのくらい時間が経ったのだろうか。


「ひ、…くしっ!」
「…そろそろ戻ろう」



冷たい夜風に綱吉がくしゃみをすると、雲雀は自分のスーツの上着を脱ぎ、綱吉の肩に掛けてやる。
そして、ふと屋敷を振り返った瞬間。
背中から腰の辺りに、細い腕が回された。誰が抱きついてきたかなんて、言うまでもない。


「……綱吉?」
「んー…きょーやさん……」


背中越しから、

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あきゅろす。
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