小説 Y 丹念にケーキを舐めながら、雲雀は旨そうに喉を鳴らす。うっとりと半分に閉じられた瞳が艶やかだった。 「美味いね…君は。ここはどうかな…?」 「ぅぁあっ…はぁ、は…」 「ねぇ、綱吉。ここ、歯応えがありそうだね」 「………」 「……綱吉?」 急に口を押さえたまま黙り込んだ綱吉に、雲雀は首を傾げて顔を覗き込んだ。 「…ぅ、は…く」 「…何?」 「吐きそっ…う!」 「!?」 綱吉の言葉に慌てた雲雀は、直ぐに綱吉を抱き上げトイレに連れ込んだ。 「っ…ウエェエエ…」 「はぁ…大丈夫?」 「な、なんとか…」 「あれだけピザと生クリームを摂取すれば当然だよ、全く」 綱吉の背中を擦ってやりながら、雲雀は溜め息交じりにそう呟いた。 「うぇっ…でも、ヒバリさんがあんなことするからぁ…」 「……分かった、今日はもうしない」 「本当ですか!?」 「…ちょっと、なんでそんなに嬉しそうなの」 「うっ…気持ち悪いぃ…」 雲雀の言葉に、綱吉は慌てて便器に顔を向けた。 「まったく……」 [*前へ][次へ#] [戻る] |