小説 2 骸の髪を手の中で弄びながら、綱吉は骸との会話を楽しむ。 「なぁ…骸」 「何ですか?」 「クリスマスプレゼント欲しいなー」 「おやおや…いくつですか君は」 「24歳」 「知ってます」 「な〜良いだろ〜?」 「どうしたんですか?今日の君は甘えん坊ですね。何時もは僕に抱き締めさせてもくれないのに」 「…うん」 「…プレゼントは何が欲しいのですか?」 「え!いいの?」 「他ならぬ君の頼みですからね」 「やったー!」 「ただし、僕にも下さい」 「いいよ。何が良い?」 腕の中で振り返り、骸を見つめる。 綱吉の顔は穏やかな笑みを浮かべているが、骸は何故か胸騒ぎを感じた。 「君…の、髪を」 「え?オレの髪?」 「はい。何時でも君を、近くに感じていたい」 「……分かった」 そう言うと綱吉は、懐から取り出したナイフで、一つに結んでいる髪を無造作に体から切り離した。その行動に、骸は呆気に取られる。 結ばれたままの髪を骸に渡し、綱吉は踵を返した。 「戻ろう。凍えそうだよ」 「……そうですね」 骸は渡された髪に一度口付けて、丁寧に内ポケットにそれを仕舞い綱吉の後を追った。 [*前へ][次へ#] [戻る] |