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縁切りの神様
一夜の過ちA



だが、結局京の携帯に繋がる事は無かった。




「…‥‥ダメ、か」

プッ、ツーツー。


電話の向こうで虚しく響く音だけが聞こえてくる。

其れがより一層宗貞の罪悪感を募らせてしまった。




「京殿‥…」

彼女には申し訳無いが、ずっと『姉』として接して来た分今まで一度も『女』として見た事の無かった宗貞はどうしても京を受け入れる事が出来そうに無かった。



其れでも、去り際に見せ付けられた彼女の表情がどうしても脳裏から離れてくれなくて。



「私は、本当に救いようの無い馬鹿だ!!あんな事をされれば誰だって傷付くに決まっているじゃないか。其れ、なのに…‥‥」


自分の軽率な行動が愚かだと思うと同時に

あの気丈な京が初めて見せた、今にも泣きそうな表情にようやく『女』を感じる事が出来た宗貞は




「クソッ///」


一瞬だけ

ほんの一瞬だけ彼女の全てを暴いてやれば良かったと後悔さえしたのだ。



どうせ吉子と結ばれない運命ならば

いっそ豊満で美しい年上の女をめちゃくちゃに犯して持て余している其の激情をぶつけてやれば良かったとさえ。



そう、思ったのだが。




「何と不謹慎な!!宗貞、お前は仮にも聖職者だろう??一体何を考えているんだ!!」

そんな邪な考えは理性によって直ぐに掻(か)き消された。



其れでも―――



「何処に行ってしまったんです、京殿。無事で居てくれればいいのだが‥」


心から心配する気持ちと同じくらい不純な気持ちを抑え切れなかった宗貞は、最後に見た彼女の泣きそうな表情に欲情して何度も何度も携帯のディスプレイに残った番号を見詰めるのだった。



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あきゅろす。
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