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縁切りの神様
忍び寄る不吉の予兆F




「ッ?!」

むちゅっと

やけに柔らかい感触が唇に走ったので。


直ぐに何が起きたのか、宗貞には理解出来なかったのだが。



「…‥宗貞はん///」
「みっ、京殿?!一体、何を‥///」

しっとりと濡れた彼女の唇と、ぽっと桜色に染まった其の麗しい顔がゆっくりと自分から離れていった瞬間。


其処でようやく宗貞は気付く事が出来たのだ。

口付けられた事に。



そして


「悪い冗談にも程がありますよ‥///」

急な京からのアプローチに戸惑い、苦し紛れに冗談として扱ってやれば



「ウチが冗談言うような軽い女に見えまっせ??」

酷く真剣な声色で返されるから。


此の場に吉子が居なくて本当に良かった―――


と、心の底からそう思った宗貞はキッパリと言ってやったのだ。



「いいえ、見えません。ですが‥先程も申し上げました様に自分には心に決めた女(ひと)が居ますので」
「ッ///」


其の瞬間

京の整った顔立ちが一気に険しく歪んでしまい。



其処で冗談でも悪ふざけでも無く、彼女が本気なのだという事を嫌でも悟らされた宗貞は頭の痛くなる思いを必死に押し殺して


「ですから。こういう事をされるのは正直困ります‥」

と、申し訳無さそうに答える事しか出来なかった。



中途半端な態度では余計に彼女を傷付けるだけだと分かって居たから。

だから、京の言い分も聞かずに拒絶の意を表してやったというのに―――



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あきゅろす。
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