縁切りの神様 忍び寄る不吉の予兆B 「そない熱心に見詰められると‥緊張してしまうどっしゃろ??」 「‥‥…お兄様??」 「い、いや!!違う、其れは誤解だ吉子!!私は別にやましい意味で見詰めて居た訳では…‥っ///」 昔から宗貞の事をまるで実の弟の様に可愛がっていた京だが。 其の愛情表現は少しひねくれていて 宗貞は生真面目でからかうと面白いから。という見も蓋も無い理由からよくこうして冗談交じりに弄っていたのだ。 だが、幼少時ならともかく。 愛しい愛しい妹である女にあらぬ誤解を植えつけられては困ると危惧した宗貞は 「だ、大体私には他に気になる女性が―――」 と、ついうっかり口を滑らせてしまったのだ。 其の瞬間 「「え‥‥…??」」 吉子と京の声が見事に重なり。 とてもではないが信じられない。といった驚きの眼差しを二人が無遠慮にも宗貞一身に向けていると 「あ、いや///そ、其れに彼女は婚約している身だ。私達の間に有るのは親同士の繋がりくらいしか無いよ」 先程の言葉をはぐらかす様にまた違う弁解を口にしたのだ。 [*前へ][次へ#] |