縁切りの神様 忍び寄る不吉の予兆A 「久方ぶりどすなぁ、色男はん」 「「!!!!!」」 「相変わらず女にモテはるなぁ。今度は其の子を泣かせる気どすえ??」 何処か聞き覚えの有る懐かしい声が聞こえて来て。 ハッとした宗貞が声の震源の方へ目線を配れば 其処に居たのは――― 「其の声は…京(みやこ)殿ではありませんか!!」 「お兄様、お知り合いですの??」 「あ、あぁ‥古い友人さ」 「ふふふ」 京都府宇治市にある有名な悪縁切りの神社『橋姫神社』の宮司である京だった。 ちなみに宮司とは神職(神道、神社において神に奉仕し祭儀や社務を行う者)の一つで所謂(いわゆる)神社の代表者の事を指す。 そんな、古い知人といえど今となっては滅多に会えないお偉いさんとなってしまった京の突然の訪問に宗貞も動揺を隠せず。 急にだんまりとなって、突然訪ねて来た旧友をじっと見据えていると――― [*前へ][次へ#] |