縁切りの神様
忍び寄る不吉の予兆@
サァ、と爽やかな風が舞って。
「…‥そろそろ夏も終わりを告げる頃、か」
などと、感慨深い声色で宗貞が呟いた其の時だった。
「お兄様!!」
「!!!!!」
聞き慣れた妹である女の声が背後から聞こえて来て。
今日は一体どうしたのだろう??と不思議に思った宗貞が何気なく振り返った瞬間
「えいっ♪」
「なっ///」
ガバッと
急に吉子が背面に抱き付いて来たのだ。
其処で大いに驚かされてしまった宗貞が内心の動揺を必死に隠しながらも
「どうしたんだい、吉子。今日は何時に無くお転婆だね」
と、嗜(たしな)めてやれば
「あら、失礼ね。子供扱いしないでっていつも言ってるじゃない、私だってコレでも立派な大人なんですからね!!」
ぷぅっと頬を膨らませ、抗議してくるので。
そういう所がまだまだ幼いのだよ。
なんて心の中で呟いた宗貞が、妹である女の立腹も介さずに微笑ましく感じていると。
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