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縁切りの神様
切れぬ縁、其れを人は運命の糸と呼ぶC




「だがな、此の神社はどんな良縁も切ってしまう…曰く付きの神社なんじゃよ」
「じゃからどんなに深く愛し合おうとも此の神社に祀られる『縁切り石』の前では無力でしかないのじゃ」
「現に参拝した相思相愛のカップルには―――必ず別れという名の終焉が訪れておるからのぅ」

などと、実に夢の無い事を言い出したので。


そんな曰くがあったら、縁切りにはうってつけだが逆に新婚夫婦やバカップルが寄り付かないじゃないか。

と、宗貞は心の中で苦々しく呟いてみせた。


だが、可愛い孫の反発心に気付きもせず祖父である男は縁側に座ると




「のぅ、宗貞。お前此の神社がそもそも何故縁切りの神社として有名か其の謂れを知っておるか??」

ニヤリと笑って、まるで宗貞を試す様に訊ねて来たのだ。


そうすれば



「えぇ、一応は」

と、気の無い様子で答えては

生まれ育った神社の謂れを淡々とした口調で語り始めるのだった―――



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