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縁切りの神様
切れぬ縁、其れを人は運命の糸と呼ぶ@


「はぁ……」

吉子が寺に住まう様になって早や三日目。


毎晩煩悩に悩まされて居た宗貞は、そろそろ本気で剃髪しようか考えていた。


仏教の教えでは、余計な事を考えない為にも頭を剃る風習がある。


だから、寺に仕える住職の殆どが坊主頭なのだが。



「‥おぉ、宗貞ではないか。どうした、しけ込んだ顔をして。お主らしくない」
「あ、祖父上。おはようございます」

いつもは置物と見間違うくらい物静かで存在感の薄い祖父が珍しく声を掛けて来たので。


丁度良い機会だから、と思って宗貞は彼に相談を持ち掛けたのだ。



だが

「祖父上、実はご相談があるのですが」
「ほー。清く正しい、欲の無いお主でも悩みが有るとはのぅ。何じゃ、言うだけ言うてみぃ。力になれるかは分からんが」


まるで聖人君子の様に扱われるのが嫌だった宗貞はあからさまに渋い顔をしてみせた。

そして、はぁ。と息を吐いた直後


「実は…そろそろ剃髪しようかと思いまして」

と、切り出した瞬間だった。



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あきゅろす。
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