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縁切りの神様
決して叶う事の無い想いにE






「私‥出すぎた真似をしたみたいで……。宗貞様のご機嫌を損ねてしまいましたか??」
「ッ―――」


うるっと瞳を潤ませながら、吉子は心配そうに兄である男の顔を見詰めてそう言ったのだ。



其処でようやく合点のいった宗貞は、実に苦い顔をして口を噤(つぐ)む事しか出来なくなった。



「気に入らない所があれば直します!!」
「私の事がお嫌いでしたら極力関わったりも致しません!!」
「ですから…どうか、どうかお許しください。私には‥もう行く当てが無いのです―――」


先程、照れた顔を見られたくない一心で結果的には冷たい態度を取ってしまった宗貞。


そんな彼の態度を目の当たりにした吉子は見事勘違いし、兄である男に早速嫌われてしまったのでは無いだろうか??と心配になったのだ。


だからこうしてわざわざ宗貞を追いかけて来た訳なのだが―――




「っ、ふ…‥///」
「なっ///」


感極まって彼女は泣き出してしまったのだ。



生い立ちが生い立ち故に行く先々で村八分に遭ってしまい

其の上物心付いた頃に愛する母に先立たれ、天涯孤独となっていた彼女にとって家族という存在は憧れであり唯一の心の支えだったから。



「ご、ごめんなさい///涙が、止まらなくて‥‥っ」
「―――…‥‥」

そんな、今まで明るく振舞っていた吉子の弱い部分を思わぬ形で見せ付けられてしまった宗貞は自分の不甲斐無さを情けなくさえ思った。



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あきゅろす。
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