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縁切りの神様
決して叶う事の無い想いにD



そんなこんなで、逃げる様に堂内へ向かった宗貞ではあったが。



「宗貞様、か…‥」

琴の様に澄んだ、其の美しい声色で名を呼ばれた宗貞の興奮は抑えきれず高まるばかりで。


なまじ兄と呼ばれ慕われるよりも、そんな風に他人行儀な呼ばれ方を続けられたらもっと想いが募りそうで苦しくなりそうだ。

と、思って



「参ったな‥‥…」

ハァ、と深い溜息と共にそう呟いた矢先―――




「あ、宗貞様!!」
「ッ///」

トタトタと、可愛らしく廊下を駆ける音が聞こえて来て。


其れが愛する女の足音だという事に気付いた宗貞は、心の準備もままならないまま再び妹である女と対面する羽目になってしまったのだ。


そして、どうしたモノかと眉間に皺(しわ)を寄せてはチラリと愛しい女に目線を配るが―――



「……どうしたんですか??そんな顔をして」
「あ、あの‥‥‥///」

何故か吉子があからさまにしょんぼりと落ち込んでいたので。


先程まで愉しそうにしていたのに何故??と疑問を抱いた宗貞が心配して声を掛けてやれば。




「も‥申し訳ありませんっ///」
「!?」


急に吉子が頭を下げて謝ってきたので。


感謝こそすれ、別段彼女に謝られる様な出来事など無かった筈だが??

と、不思議に思った宗貞が首を傾げた瞬間―――



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