縁切りの神様 決して叶う事の無い想いに@ 其れから、宗貞と吉子との奇妙な同棲生活が始まったのだが――― 「あ、おはようございます」 「ッ///」 居間の襖をガラリと開けた瞬間、吉子とうっかり鉢合わせになってしまった宗貞は思わずカァッと顔を赤らめてしまった。 出逢った瞬間、腹違いの妹である吉子の類稀な美貌にコロッと堕とされて。 其の上、彼女に対して邪な欲望を募らせてしまった宗貞は彼女を想って抜いてしまったのだ。 だから 「…ッ、あぁ。おはよう」 「!!」 マトモに目を合わせる事も出来ずに、そそくさと其の場から離れる事しか出来なかった。 そして自身を最低だ、と思いつつも 台所に消えていった吉子の後姿を未練がましく目で追った瞬間だった。 「うははは!!」 「…‥‥」 「こんなマトモな朝食は一体何時振りだろうか。なぁ、宗貞よ!!」 「そう、ですね」 宗貞の気も知らずに、朝から父である男が豪快に笑ってそんな事を言い出したので。 ありきたりな色形をしたちゃぶ台の上に並べられた、確かに豪勢な朝食に宗貞も内心感動を覚えた瞬間――― [次へ#] |