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[徹side]



食いながらコロコロ表情変わる三谷田見てたら、久々おもきし笑った


図体でかいのに、耳垂れて尻尾も下がってるワンコみたいに見える


「…センパイ…そんな笑わなくても…」


ほら、クゥ〜ンって鼻鳴らしてそうな(笑)


「ッわりーわりー」


まだ濡れてる髪を撫でてやると、耳と尻尾がピンと立った(ように見えた)




やっぱ、かわいーわ。こいつ(笑)


「食ったか?髪乾かしてやる」


「えぁ?いいいーですよ、すぐ乾きますから」


「いーからいーから♪」



慌てふためく三谷田にドライヤーをあてはじめる



短めの髪はすぐに乾いて



「乾いたぞ」



「っした!ってか先輩こそまだ濡れてるじゃないですか。俺やります」



「いーよ、もう半乾きだし」



「お返しですから!」


三谷田が立ち上がり、そこに座らされる



ドライヤーの温風があてられる



「先輩、猫っ毛ですね〜」



それ気にしてるんだよ



顔に出てたのか


「すすすいませんっ」


おどおどし出した三谷田は、また耳伏せてフセしてるみたいに見えて(笑)



「…もーいーよ、怒ってねーし」


「ほんとに?」


「ほんとに!なんかDVDでも見ようぜ?そのうち服も乾くだろ」



パッと食器洗って、テレビ脇のキャビネットからDVDを出して


「どれがいい?」


「んーと…じゃコレで」



よりによってコレかよ…


コレ見るとぜってー泣くんだよな、俺…


「…別なのは?」


「ダメっすか?」



三谷田の顔見たら…


「いや…いい……かけろ」


ソファーにどっかりと座ると三谷田が少し離れて隣に座った


いつも一人で座る(寝る?)ソファーに人の気配がするというのも


なんか……いーかも?


動き出した画面にしばし見入る俺ら。



隣の存在忘れて夢中になって見てたもんだから、

視線感じて横見たら


やっべ…滲んで見える…


「センパイ…」


……え?


伸ばされた腕の中の俺


「…俺、何も見てませんから」



好きなだけ泣けってか?



いつもなら抵抗するとこだけど、なぜだかこいつの腕は安心できて



不覚にも治まるまでそのままでいた


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あきゅろす。
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