2
どくん…と心臓が騒ぎだす…
転勤先はそう遠い所ではないが、あやめが通うには大変すぎる。
どれがあやめに一番いい選択なのかを一日話し合っていたそうだ。
具合が悪い(と伝えていたから)あやめにどう言おうかと。
俺が送ってくるまで連絡がこなかった訳がわかった。
話が進まなくて重い空間に、俺は言った。
「俺のとこにあやめいて貰う訳にはいきませんか?」
普通なら怒鳴られるだろうと思い、身構えた。
おばさんたちの反応は意外だった。
「優くんなら、安心よねぇ?小さい時からあやめ守ってくれてたし。笑
おかあさんとも私幼なじみだもの、
連絡はすぐとれるし、でも本当にいいの?優くん」
「はい。」
と俺が返事すると、俺の家に電話して了解を得たようで、話がとんとんと進んだ。
となりにいるあやめは、話が進みすぎてややパニクってる。笑
[あやめside]
何がおこってるの?
おとうさんが転勤?
あたしは優の家?
え、えーーー!?
引っ越しは夏休み直前?
どうなるの!これから…
優が帰った後、おかあさんは、おとうさんが新聞を読んでるのを確認すると、
「洗い物手伝って?」
と、あたしを台所に呼んだ。
コーヒーカップなんかを洗っていると、おかあさんが隣に来てコソっと、
「避妊はしなさいよ?
それでも出来たら、
心配しないで産みなさい。
おかあさんはあやめの味方なんだからね?
おとうさん、もうお嫁にとられたみたいに思ってちょっとスネてるけど。笑」
ポロポロポロ…
涙が止まらなくて
手が濡れてるのも構わずにおかあさんに抱きついてた…
おかあさんって何で何も言わなくてもわかるの…?
[前][次]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!