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どくん…と心臓が騒ぎだす…

転勤先はそう遠い所ではないが、あやめが通うには大変すぎる。

どれがあやめに一番いい選択なのかを一日話し合っていたそうだ。
具合が悪い(と伝えていたから)あやめにどう言おうかと。
俺が送ってくるまで連絡がこなかった訳がわかった。
話が進まなくて重い空間に、俺は言った。

「俺のとこにあやめいて貰う訳にはいきませんか?」

普通なら怒鳴られるだろうと思い、身構えた。

おばさんたちの反応は意外だった。

「優くんなら、安心よねぇ?小さい時からあやめ守ってくれてたし。笑

おかあさんとも私幼なじみだもの、
連絡はすぐとれるし、でも本当にいいの?優くん」

「はい。」
と俺が返事すると、俺の家に電話して了解を得たようで、話がとんとんと進んだ。

となりにいるあやめは、話が進みすぎてややパニクってる。笑





[あやめside]

何がおこってるの?

おとうさんが転勤?

あたしは優の家?

え、えーーー!?

引っ越しは夏休み直前?

どうなるの!これから…

優が帰った後、おかあさんは、おとうさんが新聞を読んでるのを確認すると、
「洗い物手伝って?」
と、あたしを台所に呼んだ。

コーヒーカップなんかを洗っていると、おかあさんが隣に来てコソっと、
「避妊はしなさいよ?
それでも出来たら、
心配しないで産みなさい。
おかあさんはあやめの味方なんだからね?
おとうさん、もうお嫁にとられたみたいに思ってちょっとスネてるけど。笑」

ポロポロポロ…

涙が止まらなくて

手が濡れてるのも構わずにおかあさんに抱きついてた…

おかあさんって何で何も言わなくてもわかるの…?


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