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銀魂
山崎とカゴの中の鳥

暗がりの中、物音をたてないように気を配りながら進む。今回の潜入は政府の所有する第3工場だ。

ここでは天人の技術によって武器や乗り物がつくられてる。

例えば沖田さんが使っているバズーカのような簡単なものから松平とっつあんが乗っている船など大きいものまで色々なものが作られている。


副長が言うにはどうも最近怪しい動きを見せてるとか、、、

「怪しいとは?」と聞き返したら

「いつもよりペースが遅れてる」とか言ってたけど怪しいというにはビミョーなところだ。

「ただ誰かがミスをしただけでは?」と聞くと

「そうだといいんだがな」と言いつつでも「なんかにおうんだよな」と言っていた。


たぶん副長も半分直感なんだと思う、でも副長の予感はよく当たるんだよなぁ。そこがまた怖いよなぁ。

まぁ副長も不満顔だったので結局俺は何を言っても潜入することになると、、、、。

せっかく仕事終わったところでミントンでもしようと思ってたのに、まったく人使いが荒い。



そういうわけで俺は今、第3工場に来ている。

表側にシャッターがあり、人の足が見えるくらいに開いていたが、中から騒がしく機械音や人の声が聞こえたため裏口を探した。

裏口から中に入ると明かりが見えたのでそっとのぞくと広い場所に出た、そこでは大勢の人がいてそれぞれがせかせかと自分の仕事をこなしていた。

たくさんの武器が作られていて、ここが攘夷浪士の基地だとしたら大問題だがここはもともと政府の武器を作るところなので特に変わったようすはない。

今回は副長のただの思い過ごしだったのかなぁと思い、そうそうに立ち去ろうとしたが、、


「なんだ?」


隅っこの方に扉があり少し開いていた。

なんかここの工場の人不用心だなぁ

扉が閉まってなくて中途半端。こんなんで攘夷浪士に襲撃されないのだろうか。

仮にも攘夷浪士を抑えるための武器を作る重要な場所だっつうのに自覚あるのかなぁと思いながら

扉の奥をよくみると地下へつながってる階段がちらっと見えた。

その階段がある扉は広い作業ばのホントに隅の物陰にあって目立たないし

作業員もあまり近寄らない、というか目に入っていないような感じ。

てか、階段だけだったら扉いらなくね?怪しくね?

でもあそこに行くには作業場を抜けなくてはならない。どう考えても見つかる、、、

確かこの工場は1時には消灯だったよなきがする。

しょうがない、めんどいけど夜中に出直すか。

ちゃんと調べないとばれたら後が怖いからなぁ。



俺は一回屯所に戻って報告をすまし副長の「そうか、引き続き頼む」という感想が3文字の返事をもらい、また第3工場に来ている。

さっきと同じところから忍び込みあっさり侵入できてしまい、また不安になる。

そして見つけた階段をゆっくり下りる。

もう人はいないみたいだな。これならゆっくり調べられる。つーかホントに不用心だよな。

階段が終わるとすぐまた扉があった。扉多くね?


ガチャ


あれ?開かない、、?
 
俺はいつものようにすんなり鍵を開けこっそりと入る。辺りを見渡すと

たくさんの設計図らしきものや未完成の武器がころがっていた。


「お兄さん誰?」


意外と近くで声がして驚きふりかえると扉のとなりの壁に寄り掛かる少女を発見した。


「工場の人?いつもは工場長しか来ないのにめずらしいな、、、あれ?」


工場の従業員だと思ってくれたのかとほっとしたのもつかの間、少女は俺を上から下までじーっと不思議そうに見てる。


そりゃそうだ。

だって俺、作業服じゃねぇもん。いつもの潜入専用の紺のやつだもん。普段着とも言い訳できねぇもん。

どうしたもんかと考えてると少女が口を開いた。


「お兄さんこの工場調べに来たの?」


っ! やっべばれたか? くそ、この任務失敗か、、、


「だまっててあげようか?」

「へ?」


思いもよらない言葉に驚いた。


「そのかわり、外のことを教えてよ。お兄さんのことは言わなくてもいいよ」


俺が何の話かわからず話についていこうと今言われたことを頭の中で繰り返してると少女が続けた。


「わたし随分長くここにいるから外で何がはやってるのかとかさっぱりわからないの。
 天人が来てからどんどん変わってきてるんでしょ?」


つ、つまりこの子に江戸のことを話せば俺がここに来たことは黙っててもらえるということか?

ていうか今の江戸のことを知らないってどれくらい外に出ていないのだろうか。

俺はやっとここで少女を落ち着いて見た。

歳はは見た目からして15歳くらいだろうか。

つづく

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