不審な近親者(3) ※


「ねえ、大河おじちゃん。どうしてお洋服を脱ぐの?」
「もっと新一を見たいからだよ」


「でもお洋服着ないと僕・・・寒いよ」
「叔父さんが暖めてあげるから・・・おいで」


「うん」


これがおかしいことだと知らなかった俺は、叔父さんの膝の上でいたずらをされた。
豆粒みたいな小さな胸の突起をあめ玉を舐めるみたいにペロペロとおいしそうに舐める叔父さん。


「くすぐったいよ・・・」
「新一の乳首はイチゴの味がするぞ」

「えー!!本当?」
「本当だとも、だから叔父さんはここを舐めるのが大好きなんだ」

チュパチュパおいしそうに舐めたり吸い上げたりするのを見て「本当においしいんだ・・・」と自分もイチゴ味を味わいたくなった。

「たいがおじさん・・・僕も・・イチゴほしい」
「じゃあ口移しで味見させてやろう」

叔父さんの大きな口が僕の口に吸い付いて、今度は口びるとか口の中をペロペロ舐めてくるんだ。でも叔父さんが言っていたようなイチゴの味は全然しなくて、そこからは叔父さんが吸っているタバコの苦い味しかしなかった。

「に、苦いよ・・・」
「おかしいなぁ。叔父さんには分かるのに、新一はまだ小さいから分からないのかもしれないな」

しゃべりながら僕の口の中で叔父さんの舌がニュルニュル動き回ってとっても苦しい。


「いきが、できないよぉ・・・・お・・じ・・・」
「新一のお口はものすごく甘い砂糖の味がするぞ。お前はどこもかしこも美味しいな」
「僕、そんな味しないもん!」


自分の口は何も味がしないのに。叔父さんばかり美味しそうにするから僕はちょっとすねた。


「でもな、新一の一番美味しいところはここなんだよ」


叔父さんが手につかんだのは僕の・・・・・・・おちんちん。
叔父さんの親指と同じくらいの大きさの僕のおちんちんを、指先でくねってここが一番美味しいとうれしそうに言うんだ。

「舐めたいな。いいよな、新一・・・」
「な・・・舐めるの!でもおちんちん・・・汚いんだよ。だっておしっこするんだよ」
「汚くなんかない。新一のだから美味しいに決まってる」
「でもぉ・・・」



カプ。



「ひ・・ひゃ」


舐めていいって言ってないのに、叔父さんは勝手に僕のおちんちんを口の中に入れた。チュプチュプと閉じた口の中で、あめ玉をコロコロ転がすように舌先で味わっている。

「い・・・いやだよ、おじ・・さん・・・」


チュルジュルリ・・ジュジュジュル・・・


「やだよ・・・やめてよ、こわい・・よ・・・・・やぁ・・・」


小さな性器はその全てを口に含まれ、性器の付け根の肌ごとジュップと吸い上げられた。


「ああ・・・おいしいよ・・・新一。お前のおちんちんはとても美味しい」
「も、やめて・・・気持ちわるいよ・・おじさ・・」
「もっと、もっと吸わせろ新一。ああ・・・なんて甘味な味わいだろうか」


僕の股間に顔を埋めたまま、叔父さんはそんなことをずっとつぶやいていた。

「叔父さんは蜂なんだよ、新一」

「は・・ち?・・」


叔父さんは酔ったように言う。花のような甘い香りを放つ僕に誘われてやってくる自分は蜂みたいなんだって・・・





(あーでもな・・・・・・蜂は・・・・・・・・・・・嫌だな。あれに刺されたら・・・・痛いぞ。きっと腫れ上がる・・・・・・・・・・あれ?痛い・・・本当に痛いぞ・・・・・・・・・・・・・何でこんなに痛いんだ!!)





「うっ・・・・・・・・痛てぇ・・・・」
「気が付いたか新一ちゃん!!」
「う・・・あ・・・?」


目が覚めるとそこは保健室。

俺を心配そうに見つめていた友人に話を聞くと、廊下を歩いていた所にサッカーボールが飛んできて後頭部にぶち当たり、ボールのおかげで割れたガラスの破片で左の目の横の辺りをザックリ切ってしまった。そして体調不良もありそのままぶっ倒れて保健室に担ぎ込まれたらしい。

「いてえ・・・」
「痛いだろうね。だってザックリだったもん。左目の横。出血多量だよ」

「・・・・・・・・・・・マジでか」

そう言われるとなんだか頭がくらくらする。

「なあ」
「ん?」

「俺さ・・・寝てるとき何か・・・」
「?」

叔父さんにいたずらされる夢を見た。うなされながら起きたから、何か変なことを口走ったのではないかと心配になる。こんな時にまで余計な心労を抱え込まないといけない自分が悲惨に思えた。

「何か俺・・・・・言ってた?」
「寝言?いんや」

「そ・・・」

それだけ聞いてとりあえず安心した。「いやだ・・・」とか口走っていたらどうしようかと思った。



出血を抑えるためにかぶせられタオルは左目ごと覆い、ずれないように包帯で巻かれている。そうしている内にバタバタと保険医が担任とやって来てすぐに病院に行くぞと、体を支えられてタクシーに乗せられた。

保護者に連絡したいと言うけど・・・

「先生、俺の親、海外・・・」
「そう・・・だったか。後で連絡を・・・・・国際電話か」
「別にいいよそんなの。掛けなくても。帰ったら自分で連絡します。」

でもこれだけの怪我をしているのだから、親戚でも知り合いでもいいから保護者代わりの人と連絡を取りたいと先生は言う。


保護者代わりね・・・・いることはいるんだけど・・・
その人とは出来れば金曜日までは会いたくないからなぁ。



それにしても今日は最悪だった。タクシーの後部座席に深く座り込み、ハーッと腹の底から重たい息を吐く。

起きたとたんに無理矢理な朝H。
痛む体で頑張って登校したら1人トイレにこもり尻の傷を確認するという残念な行動に及び、昼ご飯はパーだったしボールは飛んでくるし。
保健室で見た夢に叔父さんは出てくるし・・・・何が「お前の○○○○○は美味しいだ!!」気持ち悪い、おえーっ!あれは幼少期のトラウマだ。よくも何も知らない俺にあんな性犯罪を行ったものだ。あのときばれて逮捕されれば良かったのに・・・そしたら今もこんな目に遭わなくて済んだのに・・・・・・・・・・・・


ボールが飛んできて頭を打ったし、倒れたとき床に頭を打ち付けているかも知れなかったので、念のためにレントゲンを撮ってから傷口の処置をした。そんでもって7針も縫った。


何も持たずに病院に連れてこられたから、一度学校に戻ることになり、学校に怪我の状況を電話する担任を待合室の椅子に座って待つ。時刻はもう午後3時。顔半分は局部麻酔で感覚がよく分からない。頭頂部から顎にかけてグルグル巻かれた包帯に、目立つよなこの巻き方は・・・・と思う。ガーゼだけでいいのに、大げさな。明日から通院というのもかったるい。傷口の痛み止めをもらったけど、これって腰や尻の痛みにも効くのかな。効くといいな・・・・・・

「さて、じゃあ一度学校に戻るか」
「はい」

タクシーに乗ると、運転手さんが僕の血が付いたシャツを見てギョッとしていた。赤茶色に変色した血は、左肩から胸にかけてシャツを汚していた。乾いてガビガビになったそれは、漂白でもしないと落ちないくらいしっかり付着しているのでまた面倒だなと思った。





学校に着くと6時間目の途中で「もう帰っていいぞ」と言われたけど、後ちょっとで授業も終わるから受けようと思い教室に入室した。ヘッドキャップみたいに包帯グルグル巻きで血の付いたシャツの俺に、友人達は見た瞬間目をむいたが、授業中にもかかわらず駆け寄ってきて案じていたと口々に声を掛けてくれた。先生も仕方がないと言った感じの視線を送った後「感動の再会はそれくらいでいいか」と軽く水を差し、残り20分間授業を受けた。


「げ・・・」


帰りのホームルームで携帯を開くと着信履歴がビッシリ入っている。
履歴をたどると一番初めの履歴が11時過ぎ。これは3時間目の体育の時間にかかってきている。そして12時、12時半、12時50分、13時10分、13時・・・・・・・・・・・・ほぼ10分おきに3時過ぎまでかかりまくっていた。
授業中はマナーモードにしているから休み時間にいつもチェックしてたけど、今日は学校に来てから一度も携帯に触れていなかった。そしてこのしつこい電話の主は・・・



もう、ストーカーだよ叔父さん。その前に性犯罪者だけど。



きっと休んでいると思っていた俺が学校に行ったことを知り、気分を害して電話を掛けて来たんだろう。別に心配なんていらないのに。いや、心配と言うよりも言うことを聞かずに学校へ行ったことを怒っているだけなのかも知れない。きっと後者だろう。あの人は基本自分勝手だ。また難癖付けられるかも知れない。


そしてメールも入っていた。



(1件目) 11時40分  伊勢崎さん
『学校へ行かれたのですか。体の方は大丈夫でしょうか。あまり無理をしないようにしてください』


(2件目) 13時22分  伊勢崎さん
『連絡が取れないので社長が心配しております。今は昼休みの時間ですね。折り返し電話をお願いします』


(3件目) 15時00分  伊勢崎さん
『16時にお迎えにあがります』


はぁ・・・伊勢崎さんまで。
最後の文はちょっと怒りを感じます。

でも仕方がないんだよ。今日は大変だったんだから・・・・・・・・・・って、



「お迎えかよ・・・・」


金曜日まで会わなくて済むと思っていたのに何て事だ。

[←][→]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!