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そのいち
校長講話から、友達と下校途中に妄想が広がってしまった変態作品です。

軽いノリで書いてます。












 満員電車。
 カバンにつけた可愛くないキーホルダーが揺れる。
 僕は必死につり革を握り締める。
 
「ん……」

 それから、くちから零れそうになる声を歯を食いしばって我慢する。

 電車内は朝の通勤時間で人がいっぱいだ。
 こんないっぱい人がいるのに……
 ――いや、違う。逆だ。人がいっぱいいるからするnんだ。僕は知ってる。
 服越しに先生の指と体温を感じて、また声が出そうになる。
 ……セクハラというか痴漢というか……。

 執拗に太股周辺を撫で回す指。
 長くて綺麗な指。
 先生の、指。

 こんなことをされても、到底嫌いになれそうにない。
 セクハラは嫌いだけど、
 先生が、大好きだから。

 窓の外の景色はぐるぐる変わって、だんだん海が見えてきた。
 あ、もうずぐ到着。
 ちょっとほっとしながらも涙目になった瞳で先生を見ると、
 先生は、“何?”と目で言ってるみたいに目を細めて艶笑する。
 そんな姿も格好良くて、僕は赤い顔を隠すように俯いた。
 
 きっと僕が顔を赤くしてるのもばれてるだろう。
 でも、そんなのはどうでもいい。

 早くこの状況から抜け出したい……っ
 僕の頭はそれでいっぱいだった。 

 『次はー大崎駅ー大崎駅ー』

 学校のある町の名前が呼ばれる。
 間延びしたアナウンスに安堵感を覚えながら、もう一度ぎゅっとつり革を握り締めた。
 先生の手は、まだ離れなかったけど。







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あきゅろす。
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