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藤ノ宮学園
友情

「…ゃん、…恭ちゃん。…式終わんで?」
「ぁ…?」
 軽く揺すられながら声をかけられて目を開ければ、丁度起立の号令がかかったところだった。
 随分熟睡していたらしい。
 起き抜けでまだ少しボーッとする頭と緩慢な体を起こして、とりあえず周りに合わせる。
 司会進行をしていた教師がこの後の予定を簡単に説明して閉式になった。



 式も終わって合流した尋と修と、四人で教室へと戻る。
「恭お前大胆に寝すぎ」
「うぇ?」
 合流した途端尋にそう言われて思わず間抜けな声を出してしまった。
「生徒会席から丸見え。悪目立ちしてどーすんだ」
「え、寝てたの恭夜?僕のとこからは見えなかったけど……よくあんな煩い中寝られたね…」
「ほんま、ぐっすりやったよなぁ、恭ちゃん」
「…それはオレもビックリだけどさ。…そんなに?」
「バッチリ。席が悪かったな。しかも壇上から帰ってきた会長が気付いてすげぇ顔してっし、もー、オレがハラハラしてたっつーの。葛城先輩は何かニヤニヤしてっしさぁ!」
 篁雅斗は別に印象悪くなろうがどうでもいいけど、…義正。何か妙な事思いついたりしてないだろうな…。

 暫く接近するの避けよう。いや、オレから接近とかありえねぇけど。

「生徒会は気を付けろって昨日言ったばっかじゃねーかよ。生徒会居るときの行動注意!ったく、何でオレがお前の行動にやきもきしてんだ…」
 疲れたように言う尋だが、でもオレの為にそこまで思ってくれるなんてやっぱり凄く良い奴!
「もーっ、尋ってばホント良い奴!大好きだ!」
 抱き付きながら言えば、突然の事に少し慌てた感じで逃れようとする。
「ばっ…!あーっ、もう!わかったから離れろよ!」

 そんな事言っても、だから尋抱き付きやすいんだって。離れがたいしなぁ(笑)




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