藤ノ宮学園
4
「っん、…ん、ンぅ……ふ…ぁ」
唇が触れた瞬間から入り込んできた舌に口内を思う様蹂躙されて思わず力が抜ける。
…さすが経験だけは豊富なケダモノ。巧いっつーの…。
「…っはぁ、…ぁ…んっ…」
一瞬離れた隙に大きく息継ぎをして、もう一度重なってきた唇と、中を這い回り吸い付く舌に、なんかもう抵抗するのも馬鹿らしくなって本能に任せた。
「…っは、何だ、結構乗り気じゃねぇか。つかオマエこういうの初心っぽいのにやけに巧くないか?」
「ほっとけ。寧ろこっちのが意外だっつの。お前キスとか絶対しない奴かと思ってたけど」
とりあえず突っ込めりゃOK、みたいな。
そう言い返したら篁雅斗はふと考え込むように視線を移動させる。
「あ?…ああ、そういやあんましねーな。他人の唾液とか気持ち悪ぃし」
「ぁあ?!てめ、思いっきりぐっちゃぐちゃにしてたろーが?!」
ワケわかんねーな!つーかイメージ通りかよ!しかもあんましないくせに巧いとかもどうよソレ。
思わず溜め息。
「ンだよその溜め息。っとに気に食わねぇな優等生」
「気に食わないならやめてくれると嬉しいんですけどねー?」
「ソレとコレとは話が別だろ。いーからそのまま大人しく犯されてろ」
うわ、もう何だこのオレ様。
「大体俺が経験少ないってだけでテクで誰かに劣るかよ。それに器用だからな」
「何その自慢。つか器用っつーなら仕事も要領よくやれよ。こんな切羽詰まる前に」
「…要領の良さと器用さは違うだろ!ああもうホントお前黙れ!」
…認めるのかよ、要領悪い事。
つい呆然としてしまった。
「…泣かせてやる」
ボソリと低音で呟かれた声にハッとした時には、縛られたままの腕は篁雅斗の首に回されてて。
「は?!ちょ、何…!」
慌てるオレを無視して、何の躊躇いもなくズボンも下着も一気に脱がしてベッドの下に放り投げた篁雅斗は、すんげぇ悪人面でニヤリと笑って言い放った。
「こうすりゃ逃げらんねーだろ。…痛がって泣け、優等生」
「ば、ちょっと待…!」
制止の声は間に合わなかった。
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