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藤ノ宮学園
警戒アレコレ

「痛いよ、尋。つーか遅かったなー、今日。朔達いるって事は生徒会の仕事は終わってたんだろ?」
 後ろを見れば呆れたような尋と、一緒にきたのか隆と修もいて。
 最近は帰る時間もまちまちだし食堂で合流することにしてんだよな。大幅にずれなきゃ大抵居るし。んで、その後ろに困った様子の芳乃達もいた。
「あ、芳乃、洋次。悪いな置いてって」
 呼び掛ければ芳乃達に視線が集まる。
「え?ぁあ、うん。まぁ良いんだけど…」
「つか陸汰含めお前等何時の間に知り合ってんだ」
 尋が怪訝そうに聞いてくる。あー、部屋近いからそりゃ知り合いか。
「えー?…陸汰とは初日に会ってー、芳乃達とはついさっき?」
「ついさっきってお前…」
「まぁ、欝憤晴らしついでの人助けっつーか。このガッコ物騒だよなー」
 あはははは、なんて笑ってみせれば怪訝そうな顔。
「アララ。芳乃その傷もしかして襲われてたんか?つーか恭ちゃんよく無事やったな〜。助け呼ぶ前に気付かれんかった?」
 洋次もいつも大変やな、って。…つまりあくまでオレは非力な非戦闘キャラなわけか?憂さ晴らしっつー言葉はさらっと流されたらしい。
 芳乃達が微妙な顔をしてるのに溜め息を吐いて諦めの笑みを浮かべる。まぁ、勝手にそう思わせときゃ良いよ。

「てか、そうかそっちもか。何か最近増えたな、馬鹿な奴ら」

 ん?そっちも?

「ああ、じゃあ尋が遅かったのって痴漢撃退のため?」
「痴漢って…間違ってはないけどよ…」
 せっかくこの辺空いてるのに立ち話もなんだからとそれぞれ食事を取りに行って、席につきながらそんな会話をしていれば、抱き付くのは止めたものの肩に手を回したままだった陸汰が覚醒した気配。

「お、お帰りー陸汰」
「は?って、え、何…!?」

 目が覚めたら(寝てたわけじゃないけど)オレのどアップって、なんかこのシチュエーション既視感が…。

「って、き、恭夜?!な、何でお前こんなとこ…じゃなくて手を離せ!!」

 慌ててオレの手から逃げようとする陸汰を軽く押さえ込んで、今度は後ろ抱きの形でちゃんと腕の中に拘束すれば、今度は真っ赤になっておとなしくなった。

「ホントカッワイイなぁ、陸汰は。オレが押さえ込むの得意だって知ってるくせに」
 身をもって体験したろー?そう言えば、何か言いたそうに、でも声にならなくてただ口を開閉させて更に真っ赤になった。




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