夢見処
片片想い -謙也Said-
『はぁ……』
今日何回目かもかわか
らん、あいつの溜め息
。その原因は、なんな
んやろ。
「名前！何辛気臭い顔して溜め息ついてんねん！」
俺にはその原因を知る
権利はあるんやろか。
まぁなんちゅーか俺は
こいつに気があるんや
けど…
「なんで黙りこくって
ん！俺ら親友やん！な
んでも言うてみぃ」
こいつんこと親友扱い
せんと目も見れへん。
話してたらきっとども
りまくって会話になら
ん。
『もう黙れ、ヘタレ』
「ひどっ！人が心配し
てんに！」
『はぁ…』
「その溜め息もひどい
わっ！」
『うっさい』
「(泣)」
こんなやりとりもいつ
も通り。
ちなみに今は３時間目
と４時間目の間の休み
時間。もうすぐ(授業
終わったら)昼やのに
何でこいつはテンショ
ン低いん？しかも今日
はいつもみたいに昼休
みだーって嬉しそうに
してへん。何があった
ん？
ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ
「きりーつ、きょーつ
けー、れい！」
クラス委員が号令をか
ける。
うﾞーなんでこんな時
に限って歴史なん？数
学だったらずっと名前ん事考えてられるんに…
名前が寝る体制に入った。…って
「ちょ、名前寝るんかい！」
『うん、おやすみー…
ぐぅ』
「寝んの早！ちょ、頼
むから起きてー！！」
「忍足うっさいでー」
「すんません…」
怒られたーーー(泣)
俺は不安になった。今
日はほんまにどないし
てん？いつも歴史の時
間は俺が当てられた時
に備えて、起きててく
れんに。
そうゆう優しさに、俺
は心底惚れてまったん
、やと思う。やから親
友扱いを止める事が出
来ん。これだからヘタ
レやねん。名前が困った時に頼ってくれるのが自分であるっちゅーのはめっちゃ嬉しい事や。せやけど向こうは友達としか思ってへん。一体どないしたら……
「よし、じゃあ忍足ー
“１６００年に起こっ
た戦いは？戦いの名と
起こった場所を答えな
さい。”この問題解い
てみぃ」
しまったｧｧｧ！！先生
の存在忘れて名前の事考えとった！
「………………ﾁﾗｯ」
名前を見るが寝ているようだ。
『……ぐぅ(視線に気
付いてる)』
「………ﾁﾗﾁﾗ」
続けてﾁﾗﾁﾗ見る。
『……ﾆﾔ』
「！(起きとるやん、
こいつ。)」
『ﾋｿ…関ヶ原の戦い。
岐阜県……』
いつも結局は教えてく
れる。そんな名前が…。
「ﾋｿ…おーきに………
えーっと、関ヶ原の戦
いで岐阜県や！」
「おお！正解や！なん
や忍足やれば出来るや
んか。」
……………なんかちょ
っと罪悪感ι
ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ
そんなこんなで授業が
終わった。名前が凄い勢いでメシ食うてる……なんか用事があるんやろか。
パクパクパクパク(←
すごい速さ)
「おい名前、そない早食いして喉詰まらすなよ。」
『ぐっ…』ﾄﾝﾄﾝﾄﾝﾄﾝ高
速で胸を叩く。早速詰
まらせた模様(笑)
「言ってる側からなに
してんねん！」
俺は心配で背中を撫で
た。好きな人に触れて
るんは嬉しかった。そ
れと同時に恥ずかしか
った。
『あ、りがと。も、平
気。』
「/////おん。でもな
んであない早うメシ食
うてたん？」
『！！！』
名前は何かを忘れてたらしい。箸をしまってから
『謙也、これ片付けと
いて！！』
「は？おい！」
『用事あんの！』
そう言って弁当と俺を
残して名前はどっかに走る。
俺はとりあえず弁当を
片付ける。するとクラ
スの結構仲良いヤツが
話し掛けて来た。
「なぁ、謙也。名字行かして良かったん？…あいつ昼休みに裏庭でお前のファンクラブに呼び出しされてんねんで？」
「！」
俺は急いでで裏庭に走
った。
走りながら思った。な
んで気ぃ付かんかった
、俺！あいつがいつも
とちゃうんはわかっと
ったやんか！！
「ｯくそ…」
「じゃあもう２度と謙
也くんに近寄らんとい
て！」
女子の怒声が聞こえた
から急いで女子らがお
る辺りにに向かった。
『……嫌だ。』
正直嬉しかった。ここ
でうん。とか言われた
ら立ち直れへんし。
「は！？話聞いとらん
かったの？」
『(スルー)でもなんで
あたしが近寄っちゃい
けないの？』
「(ムカッ)あんたが目
障りだからってさっき
も言うたやんか！ほん
まに話聞いてん！？」
『あ、ごめ。全然。』
「こｯの…」
あ、なにしてんねんあ
のアホ！思っきり火に
油注いでるやんか！
バチンッ
『いった…』
頭ん中が真っ白になっ
た。
「フン、あんたが言う
こと聞かんか「なにし
てんねん。」
｢｢｢｢｢！！｣｣｣｣｣
女子らは相当驚いてた
ようやけど、俺かてび
っくりしてん。ヘタレ
ヘタレ言われるし、自
覚もしとったから更に
びっくりや。こーゆー
の絶対割り込むん無理
や思っとったけど、好
きなヤツの為なら出来
んねんな。
『謙也………声低』
…空気読め、アホ！！
「うっさい！…………
あんたらなにしてんね
ん」
「ｯうちらはなん「な
んもしとらんとかゆー
なや。人の女に手ぇ出
しよって。」
………自分にびっくり
したんこれで２度目や
ん。
よく名前の事自分のもの扱い出来たな。
この勢いで告れたらえ
ーんに。
「「「！！」」」
「「女？」」
『…………………』
あいつ明らか誰が？っ
て顔しとるやん。そら
、今のいままで親友扱
いしとったけど、これ
でもお前んことめっち
ゃ好きやねんで！
「これ以上こいつんこ
と傷付けたら…容赦せ
ぇへんで？」これはほ
んまに。これ以上傷付
けたら………俺、加減
無しでこいつら殴って
る。
「ﾋﾞｸｯ…………」
ﾀﾀﾀﾀﾀﾀﾀﾀﾀ…………
５人は逃げて行った。
俺頑張った。
でもまだやる事が残っ
てんねん。
ガンッ！！
『いったぁ！』
名前の頭を軽く？殴った。
「なんでなんも言わん
かった」
こいつに…想いをぶつ
ける事。
『ごめん。…そーだよ
ね、親友だもんね。頼
るべきだよね。ごめん
ね？』
皮肉気味に言われた。
「アホ、ちゃうねん！
！そーゆー事言うてん
やない！」
『……何が』
「男として頼ってほし
かってん。」男として
見てほしかってん。
『？』
「せやから！……ﾎﾞｿｯ
好きやねん…」
『なに？(聞こえん)』
「…っ大好きや！！」
『うん、だって親友で
しょ？』
こいつは！人の一世一
代の告白をっ…
「だーかーらー……あ
なたが大好きです！付
き合うて下さい！」
『////は！？』
「……返事は？」
返事を聞くのが凄く怖
かった。でも、聞かな
いと前に進めん気がし
て…
『…言うの遅すぎ////』
顔真っ赤にして言う名前はどこか嬉しそうに見えた。
「それはYESととって
えーんか？」
『………馬鹿でヘタレ
で』
「ひどっ」
『黙って聞け。…馬鹿
でヘタレでその上無神
経で可愛くて格好良く
て、優しい謙也が…大
好き。ﾆｺｯ』
「/////////」
この笑顔はヤバイ。ガ
チで可愛ええ。
今日は名前と出会って、今までで１番幸せな日。
End
おまけ
「にしても、俺のどこ
が無神経やねん。」
教室に戻りながら名前に聞いた。
『好きな人に毎日毎日
友達発言されてどんだ
け溜め息出たことか』
「！あの溜め息って俺
の為やったん!?////」
『だから理由聞かれて
も答えてられなかった
んでしょー！……んで
？私の事友達だと思っ
てたのにどーして付き
合おうと思ったんです
かー？』
「ほんとは大好きやっ
てん。でも、」
(親友だと自分に言い
聞かせんと目も合わさ
れへんし、普通に話せ
んかったんやもん)
(可愛っ)
ちなみにクラスの仲良いヤツが呼び出しの件を知ってたのは、例の女子らに名字に伝えて、と言われたからでした。
本当におわり
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