「ひかちゃんがいつもお世話になってます」 「いや、こちらこそ」 財前が渋々俺のことを紹介すると女の子は深々と頭を下げてきた。逆に焦るわ、そんなんされたら。 「大変やな、財前の彼女っちゅーのも」 「っ!!」 「え?」 こてんと首を傾げる女の子に(かわええな)顔を真っ赤にさせる財前。え、財前が顔真っ赤にさせるって、 「ひかちゃんの彼女じゃないです。あ、申し遅れましたが私はひかちゃんの幼なじみの野々宮亜由です」 財前に対してとは打って変わってしっかりした口調で言う女の子、もとい野々宮さん。 …あ、財前が肩落しとるわ。まさかこれ財前の片思い…? 「先輩も一緒に帰りますか?」 「そないな人に先輩なんて言わなくていい言うたやろ」 引っ張るなそれ。先輩のこと少しは敬えや、そう言おうとしたがやめた。野々宮さんが言ってくれるやろ。 「…じゃあ謙也くん?」 「は、」 「え、」 色々ツッコミ所があるがとりあえずこれや。 かわええ。 その後は3人仲良く帰った。若干1名面白くなさそうな顔しとったけど言うまでもないことやな。 [*前へ][次へ#] [戻る] |