「あ、ひかちゃんだー!」 学校まで歩いとると(ほんまかったるい。義務教育ってなんやねん)後ろからトタトタという足音と俺の名前を呼ぶ声が聞こえて(こいつやない奴がこんな呼び方をしてきたらはっ倒すわ)のったりと体ごと後ろに向けた。 「おはよーひかちゃん!一緒に学校行こ!」 「おん」 何が楽しいのかにこにこ話す精神年齢の低そうなこいつは、隣の家に住んどるいわゆる幼なじみ。 低血圧ゆえ朝はごっつ機嫌が悪いけど(そんなんさすがに自覚しとる)こいつに対しては当たらん。っちゅーかこいつといても機嫌は悪くならへん。絶対や。 「ひかちゃん、今日の晩御飯のデザートはぜんざいなんだよ!だから来てね!」 無邪気に笑うこいつを素直に可愛いと思う。もちろんそんなん昔から思っとるんやけど。 「きょーうーのおべんとーはオッムラッイス!」 たとえこんなあほみたいな鼻歌を歌いはじめるような頭の弱い子でもそんなん関係ない。 「ひかちゃん、今日は一緒に帰ろーね!」 まあ簡単に言えば惚れてるっちゅーわけや。 [次へ#] [戻る] |