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リクオの憂鬱





「美湖ちゃん、リクオ君が来ましたよ」
「ん?リクオが?」

中学校から帰ってきて部屋でゴロゴロしていれば、ドアがノックされて入ってきたのはここでの私の保護者がわりの人。名前はさゆり。
さゆりに言われた内容に首をひねる。こっちから行くことのはほぼ毎日だけど、あっちから来るのはめずらしいよなあ。

「どーしたの?リクオ」
「美湖姉ちゃん…」

部屋にリクオを入れて座らせれば、若干どころか大分落ち込んだ様子のリクオ。…大丈夫かな?リクオがこんなになるなんてめずらしい。

「…ハッ!!まさかいたずら失敗した!?それなら大丈夫、まだ色々あるから」
「違うよ…」

え、違うの?と首を傾げる。なんだろう、誰かと喧嘩したのかな?いや、リクオが喧嘩するような相手は家にはいないだろうし…学校の友達とか?家の人(妖怪か)に相談したらおもいっきり心配されるだろうから私のとこに来たのかな?

「美湖姉ちゃんは……妖怪が嫌い?」
「え、なんで?…まあ人妖怪関わらず好き嫌いはあるけども…」
「じゃあ、妖怪自体は嫌いじゃない?」
「嫌いだったらリクオの家に入り浸らないでしょうよ?」

急になんだ?というかそれいまさらじゃね?ぽかんとしていればリクオの顔は段々明るくなってくる。

「美湖姉ちゃん、ありがとう!」
「え?あぁ、どういたしまして…?」

何故お礼を言われたんだろうか?さっきからリクオの言動がわけわからなすぎる。言われたお礼は受け取ったが理解はできずに首はひねったまま。
リクオはニコニコと、私は首をひねって。そんなわけのわからない状態でいると、部屋がノックされてさゆりが入ってくる。

「ココアを入れてきましたよ。あとクッキーも」
「わあ!僕美湖姉ちゃんちのココア大好きなんだ!」

そう言って喜ぶリクオに私とさゆりは顔を合わせてクスクス笑う。可愛いなあ、リクオは!




 


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