「それにしても舞ちゃん、すごかったね!」 「へ?」 「ああ、まさかあんな上手いとは思ってなかったな」 帰る方向が一緒だったため3人で帰ることになった私たち。すると急にさつきちゃんと青峰君が私をほめてきて照れながら顔を赤くする。っていうか、 「みみみ、見てたの!?」 「うん、ほんとすごかった!」 「うわばばばば」 ははは恥ずかしい!自分が試合とかゲームとかやってるの見られたときってほんと恥ずかしいんだよ穴があったら入りたい!うぅ、と思わず顔を真っ赤にして涙目になりかける。 「っ舞ちゃんほんと可愛い!」 「うぐっ」 「おいさつき、神崎死にかけてんぞ」 あれ、デジャヴ。さっき部長さんにやられたようにさつきちゃんにも抱き締められて死にかける。そこを青峰君に助けてもらったんだけど。青峰君、君は今私の命の恩人になりました。 「パスは並外れて上手かったな」 「ほんと、あれすごかったね!」 にへへ、そんな言われると照れるんだって。私はポーカーフェイスが苦手だから誉められるとすぐに顔に出てしまう。 「でも、」 「うん?」 「パス回すばっかりじゃつまんなくねーか?」 眉を潜めて言う青峰君に首を傾げる。はて、何を言っているんだろうかこの人は。 「まあ確かにシュート決めたりの方が楽しいけどパス回しもそれなりに楽しいし…それに、」 「?」 「みんなで勝った方が楽しいじゃん」 私の言った言葉にさつきちゃんは微笑み、青峰君は硬直する。そして、がしがしと青峰君に髪をかき乱された。 「お前ってほんと面白い奴だな!」 「うわっ髪ボサボサになる!」 青峰この野郎!とチョップするとやり返された。ショック。 そんなことやってるうちに2人と分かれるところにきた。 「私こっちだから!」 「う、お、送っ…」 「じゃーね、バイバイ!」 「ぐっ」 「…青峰君ってへたれなんだ…」 たたたっと2人に手を振りながら離れていく、が1つ思い出した。 「さつきちゃーん!」 「ん?」 「マネージャーって男の中に女子1人でしょ?なんかあったり心細かったりしたら言ってね!」 「舞ちゃん…」 それだけ言ってまた帰り道に戻る。さつきちゃんかわいいから大変だよね!友達になったんだから助けてあげなくちゃ! 「……青峰君…」 「あ?」 「舞ちゃんは渡さないからね!」 「はあ!?何言って、って俺は別に神崎のことなんとも思ってねえ!」 [RE][NEXT] [戻る] |