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黄瀬





そういえば、リコ先輩がキセキの世代がいるところと練習試合組んだって言ってたけど、一体誰がいるところなんだろう。
やっぱりドリンクは別で持ってくれば良かった、と悲鳴を上げる肩にぶら下げていたクーラーボックスを両手で抱え直しながら考え込む。
…学校の名前を言われたとしても誰がいるところだかわかんないな。誰がどこの高校行ったか知らないし。さつきは桐皇って言ってたけどさ。
初っ端から赤司君に当たったら終わるな。紫君はやだ。ずええっったいやだ。緑間君は、黒子君と仲悪いからやめといた方がいい。青峰君は……なんか気まずくなりそうだな、黒子君と。すると黄瀬君がいいんだけど…そんなうまくいくわけないか!

「…ん?」

なんか、体育館の周りが女の子でいっぱいなんだけど…どうしたんだろう。さっき言ってたモデルさんでもいるのだろうか?
でも体育館って…練習の邪魔になるからやめてほしいなあ。いくら顔がよくてスタイルのいいモデルさんだとしても、気が利かないとモテないぞ!女だか男だか知らないけど!

「すいませーん、通してくださいー、バスケ部ですー」

人が多い中がんばって入る。こんな重い荷物持ってるのに、なんで私がこんな目に遭わなくちゃいけないんだ!これでバーゲンも心配ないさ!ってそれは違うか。

「おにぎりぐちゃぐちゃになってたらどうしよう…」

ぽつり、と零せばそれは思いの外体育館に響いて。
……ドリンク遅かった!?

「遅れてマジすいません!!サボってたんじゃないんですよ、なんか女の子が周りにいっぱい…」
「舞ちゃん!!?」

必死の謝罪と言い訳…いや、正当な理由だからね、言い訳じゃないよ!、をしていれば急に名前を呼ばれてそっちに顔を向ける。この声って、

「黄瀬君…?」
「ほっんとに久しぶりっスね!まさか舞ちゃんが黒子っちと同じ高校だったとは…探してたんスよ、マジで!!」

駆け寄ってきた黄瀬君に手を握られてぶんぶん振られる。クーラーボックスは、もう床に置いてあるから。




 

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