「じゃ、舞ちゃんスコアよろしくね」 「はい!」 今日の部活は一年対二年のミニゲーム。リコ先輩にスコアブックを渡されてシャーペンをぐっと握り、気合いを入れた。2チーム分書くんだ、気ぃ抜いたら終わるぞこれ。 にしても、と先輩たちを見る。去年は1年だけで決勝リーグまで行ったらしい。やばくね、それ。すごすぎじゃね? 「ビビるとこじゃねー、相手は弱いより強い方がいいに決まってんだろ!行くぞ!!」 10人が並び、ジャンプボールで試合が始まる。はじめに取ったのは、背が高いだけでなくジャンプ力もすさまじい火神君だ。 ガツン! 「おおっ!!?」 「うわぁマジか今のダンク!」 「スゲェ!!」 初っ端からダンクをかました火神君に周りが沸く。うへぇ、私には絶対出来ないようなプレーだな。身長しかりパワーしかり。 「とんでもねーなオイ…」 ゲームを見ながらシャーペンを走らせる。1年が…いや、火神君がおしてる。でも、これじゃあボロが出るのが目に見えるわ。 「スティール!?またアイツだ!」 「しっかりしろー!!」 ボールを取れない黒子君を周りが囃すが、この中で唯一黒子君のプレーを知っている私は苦笑するのみ。 「一番イラつくんだよ!!」 「……!!」 「高っ……」 「もう火神止まんねー!!」 本当に、高い。このジャンプ力だけで言えば、キセキの世代(この呼び方はあんま好きじゃないけど)なんか追い越しちゃうんじゃないの?苛立たしげに先輩のレイアップをカットした火神君に、そんなことを思う。 「…わけにはいかねーなー。そろそろ大人しくしてもらおうか!」 「三人!?」 メガネ先輩、もとい日向先輩のその言葉をかわぎりに火神君に三人がつく。 こりゃ、止めにきましたねー。でも、と黒子君をちらりと見る。彼が動き出せば、問題ないんじゃないの? 得点は、15−31 [RE][NEXT] [戻る] |