「お前名前なんての?」 「神崎舞だよ。さっきはごめんね、でか夫とか言って。君はバカミ君だよね」 「喧嘩売ってんのか!?」 「え、バカミじゃないの?」 「素かよ!!」 あれま、どうやら私は彼の名前を間違えていた様です。…うん、冷静に考えてみたらないよね、バカミなんて苗字。どういう漢字だよそれ。 周りの人達はそんなバカミ君(仮)の迫力にビビってる。私?私はビビりませんよ、青峰君で慣れてる。 「火神だ、火神」 「かがみね。漢字は?鏡?変な苗字だね」 「発音ちげーだろ!決め付けてんじゃねぇ!火の神って書いて火神だ!」 「火の神で火神?かっこいーね。いいなー、火神。うん、今まで見てきた苗字の中で一番かっこいいわ。山田とかの倍かっこいいわ。あ、世界中の山田さんごめんなさい」 火の神だよ火神!じゃあ水の神で水神さんとかいるのかね!会ってみたいよ世界びっくり苗字の方々に! そんなことを黙々と考えているとやっぱり火の神様は呆れた顔で。名前負けしてんぞオイ! 「ねぇ、火の神様」 「なんだよそれ!人間じゃねぇだろ!火神って呼べよ普通に!」 「じゃあ火神君」 なんだよ案外素直だなこいつ。そんな顔をしている火神君を無視して言葉を繋げる。 「君、バスケやってる?」 私が遭遇するでかい人がバスケをやっている確率は、今のところ100%だ。 [RE][NEXT] [戻る] |