「でかい…」 「あ?」 入学式が終わり、教室に入って目の前に座る人を見て声を上げる。あれ、なんか私ってでかい人との遭遇率高くね?あれ、私が小さいだけ?いやいや周りがでかいだけだって! 「何だよ…独り言激しいぞ」 「え、口に出てた!?」 目の前にいるでかい人が呆れたように言ったことに対し口を手で塞ぐ。私馬鹿か! 「お前よく馬鹿って言われるだろ」 「えぇ!?ひっど!初対面なのにひどっ!そんなこと言われないし!」 今自分でも思ってたけど他人に言われたことなんて……あれ、言われてたかもしれない。青峰君とか緑間君とかたまに黒子君とかに。でもね、青峰君と緑間君に言われる筋合いはないよ私。だってあの2人の方が絶対馬鹿だもん! 「何難しい顔してんだ、お前」 やっぱり呆れたような顔で言う目の前にいるでかい人、もうでか男でいいや。でか夫でも可! 「でか夫君…っと失礼、君こそ眉間にシワよせまくってるじゃん」 「でか夫ってなんだよ!!俺はお前の馬鹿さ加減に呆れてんだ!」 「あんたの方が馬鹿」 「てめぇ…!!」 「火神に神崎。ホームルームはじまってんだけど?」 「「さーせんっした!」」 なんともがきっぽい言い争いをしていると、雰囲気はんぱなく怖い担任に言われて2人で腰を90度に折り曲げる。席に座ってるからもれなく額が机にゴツンとぶつかったけど。いったいな! そんなこともあってか先生が話している間は静かになる私と…えっとバカミ君だっけ?ごめん、でか夫とか言って。 先生の話や提出物が出し終わって今日はもう解散。いやぁ、入学式はずっと寝てたから早かったね、終わるの! 「おい」 「ん?」 入学説明会の時にはまだ届いていなかったらしく、今配られた参考書等を机の中に仕舞っていると、真上から声をかけられて顔を上げる。そこにはやはりというべきかバカミ君。立つとでかさ際立つね! [NEXT] [戻る] |