「舞はどこ行くの?」 男子バスケ部が三連覇を果たしてから数ヶ月後。今私たちは受験の波にもまれていた。 みんなには私が試合を見に行ったことは言っていない。言ったら、何か壊れる。そんな気がした。それに、嫌な予感はよく当たると言うから。 「んーとね、誠凜ってとこ」 さつきの問いに答えながら次の授業の準備をする。 「誠凜…?どうして?」 「家から近いし私の学力で行けるし。高校選ぶ理由なんて大体そんなんでしょ?あ、あと誠凜って新しくて綺麗だから」 怪我をしていなかったら違ったかもしれないけど、と言いそうになるのを堪える。さつきに気を使わせるのは嫌だ。 「舞と同じ学校行きたかったなぁ」 「さつきはどこ行くの?」 「…桐皇だよ」 桐皇?うーん、桐皇ってどこだっけ?複雑そうな顔をしているさつきに気つかずうんうんと頭を捻らせる私。結局さつきはそんな私を見て微笑んでくれたんだけど。 「…舞も一緒だったら止められたんだろうけどな」 「ん?何が?」 「何でもないよ」 寂しそうな顔を浮かべるさつきに違和感を感じたけど、追求はしなかった。それは多分、いや、絶対に男子バスケ部のみんなのことだろうから。 春、私は誠凜高校に合格した(緑間君に泣きついて勉強を教えてもらって)。 青峰君や黄瀬君達とは、あれ以来あまり話していなく、滞りを残したまま。 [RE] [戻る] |