「舞ちゃん、」 「ん?」 青峰君が帰ってから(くだらないことをくっちゃべって一段落した時に青峰君は用事があるって帰って行った。どうせ、用事って言ったってバスケのことだろう。私がバスケを見たくないって言ったから気を利かせてくれたんだ。まさか青峰君に気を使ってもらうなんてね)数十分後、今度は黄瀬君がお見舞に来てくれた。やっぱりくだらない世間話をしていると、急に黄瀬君は真剣な面もちになって。 「昨日はあんなこと言ったけど、色々考えてみたら俺、正直舞ちゃんがバスケできなくてもいいんス。他のみんなはバスケを通して舞ちゃんと知り合ったんだろうけど、俺は違うから。舞ちゃんにこんなこと言うのは酷いかもしれないけど、舞ちゃんには別にバスケがあろうがなかろうが関係ないんス」 顔を俯かせて言う黄瀬君にぴくりと止まった。最後に青峰君が言ってくれたのと一緒だ。黄瀬君は、私にバスケだけじゃないってことを教えてくれているんだ。 「だけど、怪我は早く治して」 「え?」 「そうしないと、遊べないじゃないっスか」 ぽりぽりと頬を掻きながら言う黄瀬君にぽかんとする私。 わかった気がする、黄瀬君がモテる理由が。黄瀬君は容姿だけじゃなくて性格も良いって知ってたけど、それでもなんでこんなにモテるのか不思議でならなかった。一番最初に思った通り、黄瀬君は可愛い。なんていうか、本当に。 「青峰君に言ったんだけどね、」 「?」 「黄瀬君にもあげるよ、親友の称号」 今できる一番の笑顔を黄瀬君に向けて言うと、黄瀬君も目一杯の笑顔をくれた。 「嬉しいっス!」 やっぱり青峰君と違って黄瀬君は可愛いな! (でもやっぱり親友より恋人がいいっス) [RE][NEXT] [戻る] |