初恋のおはなしを
「舞はさー、好きな人いるの?」
「んー?好きな人?」
男バスメンバーと一緒に帰っていると(だってさつきがいるんだもん!)さつきにそんなことを聞かれて首を傾げる。青峰君と黄瀬君がぴしりと固まっていただなんて、もちろん私に知る由もない。
「いないよー」
「即答ですね」
「だっていくら考え込んだっていないもんはいないし…」
((安心したようなショックなような…))
うん、いくら考え込んだっていないもんはいない。黒子君に言うとそれもそうですね、と返されて。今はバスケが恋人だし!…言ってることクサいよね、これ。
「初恋はまだとか言う?」
「それぐらいさすがにしてるよ。まあ幼稚園に入ってた頃の話だけどね」
「へぇー、どんな人?」
目をきらきらさせて言うさつきに苦笑い。あんなのお父さんと結婚する!レベルなんだけどね。あ、お父さんと一緒にしちゃかわいそうか。
「うーんとねぇ、」
「誰だ!?」
「誰っスか!?」
言おうとすると急に青峰君と黄瀬君がぐいっと近付いてきてビビる。誰って、言ってもわからないでしょうが!
「小さい頃隣の家に住んでた一歳上の人だよ。バスケもその人に教わったし。えーと、なんて言ったっけ……てっちゃん?」
「チッ、誰だよそいつ」
「青峰君にわかるわけないでしょ。私だってそんな覚えてないのに」
ほんと何考えてるんだか!と青峰君の顔を呆れながら見る。
「そういえば僕、小さい頃てっちゃんって呼ばれたことあります」
「えぇぇえ!?舞ちゃんの初恋の相手って黒子っちなんスか!?」
「んなわけないでしょ!一歳上って私言ったよね!?」
うわぁ、疲れるー、と肩をぐったり落とすと緑間君に頭をぽんぽんと叩かれ慰められた。緑間君、いつもこんな風に苦労してるんだね。
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